住民抗議の中、陸自オスプレイ初配備 木更津駐屯地に1機目到着 

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 防衛省が導入した垂直離着陸輸送機オスプレイ1機が10日、米軍岩国基地(山口県岩国市)から陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県木更津市)に到着し、陸上自衛隊に初めて配備された。木更津への配備は暫定で、防衛省は最終的に佐賀空港(佐賀市)への移駐を目指しているが、地元との交渉は難航し、先行きは不透明だ。

 政府は2013年12月、陸自へのオスプレイ導入を閣議決定し、尖閣諸島など離島の防衛強化を目的に17機導入した。オスプレイの購入費は17機合計で計約1700億円。維持費を含めると計約6700億円になる。陸自相浦駐屯地(長崎県佐世保市)を拠点とする離島防衛の専門部隊「水陸機動団」の搬送などを担う計画で、近接する佐賀空港に配備する方針だ。しかし地元漁協の反発で調整が難航し、木更津駐屯地への暫定配備となった。

 岩国基地に駐機していた2機のうち1機が離陸し、約2時間後の午後4時10分、木更津駐屯地に着陸した。当面は飛行範囲を駐屯地内に限定し、その後段階的に広げる。オスプレイはすでに米軍機が国内を飛んでいるが、安全面の不安が指摘されている。

陸上自衛隊のオスプレイの初配備に横断幕を掲げて抗議する陸自木更津駐屯地近くの住民ら=7月10日(Photo by Ken Shindo)

 陸自木更津駐屯地近くの公園には配備に反対する地元住民ら約150人が集まり、オスプレイの配備に抗議の声を上げた。

 住民らは「日本の空にオスプレイはいらない」「暫定配備ノー!」などと書かれた横断幕を掲げ、「オスプレイはいらない!」などと叫んだ。住民の一人は「戦争が近くなるような嫌な感じがする」と話していた。