❂写真特集「呪われたTOKYO2020」 都心は人影もまばら 新型コロナの感染者拡大

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 新型コロナウイルス感染の危機が日本に拡がってから2カ月になる。4月1日、日本の経済を支える102兆円の2020年度予算が施行されるが、コロナウイルス対策費は入っていない。エイプリル・フールでもないが、新型コロナウイルスの感染者拡大でイベントの中止や外出自粛で観光業や飲食業は大きな打撃を受けている。また雇止めや仕事を解雇された人が既に1万人になったという。

この正月まで国内外の観光客でにぎわっていた台東区の浅草寺や桜が満開になった隅田堤も人影がまばらだ。霞ケ関にある財務省に接する文科省前の桜も満開になったが誰も目にする余裕がない。外出自粛で夜の銀座は暗くなり、バーや高級クラブが集まる銀座8丁目は閑古鳥で目立つのはマスク姿だけ。

怪しい対応

 3月27日には他県より感染者が少なかった東京都の小池百合子知事は東京五輪の延期が決まると、緊急記者会見を開き「東京は感染拡大の重大局面にある」と語り、都民に週末の外出自粛要請を出した。都は同時に、いままで公表していた感染者数が違っていたと訂正したが何か怪しい対応だ。

 これについては時事通信(3月25日)のベルリン原稿が的を得ている。

「日本のコロナの謎」 検査不足か健闘か、欧米注視

 【ベルリン時事】日本の新型コロナウイルスの感染者数が統計上は先進国中で圧倒的に少ないことをめぐり、感染が急増中の欧米のメディアは、日本は検査不足で実態が反映されていないのか、それとも感染抑止で「健闘」しているのか注視し始めた。一方、世界保健機関(WHO)は単純に検査数で是非を判定するのには慎重な姿勢だ。

世界の死者2万人に イタリア・スペインで1万人超―新型コロナ

 独誌ウィルトシャフツウォッヘ(電子版)は21日、「日本のコロナの謎」という記事を掲載。欧州と違い多くの店舗が開いているのに、日本の感染者数は少ないと指摘。検査数の少なさへの批判と、疑いが強い例に絞り効率的に検査をしているとの両論を併記した。

 米通信社ブルームバーグも、検査数の少なさを指摘しつつ、検査数が多いイタリアより致死率が低いことも紹介。握手やハグの少なさ、手洗い習慣などを肯定的な要素として挙げた。

 英オックスフォード大研究者らのデータベース「アワー・ワールド・イン・データ」が不完全としつつ公開している統計によると、英時間20日までの集計では、日本のPCR検査件数は約1万5000件と、韓国の31万件超、イタリアの20万件超と比べて大幅に少ない。

 ただ、WHO幹部のマリア・ファンケルクホーフェ氏は23日の記者会見で、日本の検査数の少なさを問われ、「インフルエンザなど既存の疾患発見の仕組み」が機能しており、新型ウイルス検査の前に別の疾患が判明する場合もあると回答。検査徹底が最重要とする一方、検査数に表れない対策もあるとの認識を示した。

 「日本のコロナの謎」 検査不足か健闘か、欧米注視

 欧米が日本の対応を注視する理由は、PCR検査の指定場所が限定され、なおかつ日本の検査には判定に時間がかかり、実際はもっと市中感染は広がっているのに、「オリンピック開催に固執する日本政府が意図的に感染者数を少なく見せているのでは」という疑念からだ。

恐ろしい医療崩壊

 東京都は3月29日、新たに68人の新型コロナウイルスへの感染を確認した。20数人は東京・台東区の永寿総合病院関係者だった。これで都が1日に確認した感染者数としては最多で合わせて430人になった。 3月30日夜、小池都知事は再び緊急会見し、「夜間から早朝にかける飲食の場で濃厚接触による感染症の疑いが濃い事例が多発している」として、バーやナイトクラブなどの利用自粛をも呼び掛けた。

 さらに小池知事は31日、タレントの志村けんさんが急死したことに弔意を示しながらも、感染の広がりを懸念して「新たに4000床を用意する」と発言した。だが重症呼吸患者が最後の手段として利用する人工呼吸器「ECMO」の場合、患者一人につき、人工呼吸器の操作など専門知識を持った6―8人のエキスパー支援が必要で、ベットだけを用意すれば良いということではない。医師不足と院内感染拡大ほど恐ろしいことはない。間もなく世界中で新型コロナウイルスの感染患者が100万人になる予測がある。

人類の危機で解決できるのか

 今パニック状態にあるイタリアやスペイン、フランス、米国が一番恐れていることは医療崩壊の危機だ。ばら撒きが得意な安倍流の不渡り手形だけでは人類の危機が解決できない。