「虚偽」容認か「内戦」か
トランプ前米大統領の再選が不正投票で阻まれたとする主張には全く根拠はなく、2021年1月のトランプ支持勢力による米議事堂襲撃は選挙結果を覆そうとした不法なクーデター未遂事件だった。同事件を調査している米下院特別委員会がこうした結論をまとめた膨大な報告書の内容を9日から始めた同委員会の連続公聴会で次々に公表している。主要メディアには司法省がこの報告公開を受けていよいよトランプ訴追に踏み切るとの見方も浮かんでいる。だが、これはトランプ派が猛烈に反発し、内戦の引き金になると懸念されている。それを避けるとすればトランプ氏の「虚偽」を容認するしかないのだろうか。米民主主義は逃げ道の見えない重大な危機に追い詰められてきたようだ。