「新型コロナウイルス禍」緊急事態宣言を4都県に発令 後手後手の対応で感染抑止効果に懸念も 苦境に立たされかねない菅政権

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 菅義偉首相は7日、新型コロナウイルス感染拡大により東京都と埼玉、千葉、神奈川3県への緊急事態を宣言した。期間は8日から2月7日まで。宣言は昨年4月以来。飲食店に午後8時までの営業時間短縮を要請し、応じない場合は施設名を公表できる。宣言は昨年4月に初めて発令して以来。首相は記者会見で「1カ月後には必ず事態を改善させる」と決意を示した。

十分な感染抑止効果得られるか

 首相は、時短に協力した飲食店について、1カ月当たり最大約180万円の協力金で支援するとし、「雇用を守ることは政治の責務だ」と述べた。

 医療体制の拡充に向け、1都3県でコロナ患者を受け入れる医療機関には1床当たり450万円の支援金を上乗せし、重症者を受け入れるベッド1床につき最大約2千万円の支援になると説明した。

 小中高の一斉休校は求めず、16日からの大学入学共通テストも予定通り実施する。イベント開催では、収容率を50%以下とし、人数の上限は5千人とした。

 緊急事態宣言を巡り懸念が拭えない。経済への深刻な打撃を考慮して、昨年4月時より自粛対象を絞り込む方針であることから、十分な感染抑止効果が得られない恐れもある。新型コロナウイルス特別措置法改正案では、罰則規定の在り方に関しジレンマに陥っている。

東京五輪にも暗雲

 一方で国民の間には「自粛疲れ」があり、再発令で効果が出なければ、後手後手の対応ぶりを批判されている政権は一気に苦境に立たされるだろう。感染の抑え込みに失敗すれば、夏の東京五輪・パラリンピックにも暗雲が垂れ込める。

コロナ禍で早くも梅咲く

 東京都は7日、新型コロナウイルスの感染者が新たに2447人報告されたと明らかにした。2千人を超えたのは初めて。東京を含む首都圏の感染拡大が加速度的に進んでおり、医療提供体制の崩壊が強く懸念される。小池百合子知事は7日の記者会見で「状況は危機的で深刻」と述べた。

 コロナ禍の急拡大で重苦しい雰囲気に包まれる中、東京都江東区の亀戸天神では早くも梅が咲いた。日本列島に寒波が襲い、日本海側などでは大雪に見舞われているが、亀戸天神の梅の早咲きは「春遠からじ」を思わせ、和やかな気分にさせてくれる。

成人の日の11日、東京・浅草の仲見世商店街をマスクを付け、派手な和服姿で歩く若者(写真上)。仲見世商店街でカメラにポーズするマスクを付け和服姿やスーツ姿の若者(写真下)。

11日は成人の日。コロナウイルスの感染が急拡大で、式典をオンラインで開催したり、中止や延期をしたりする自治体も多かった。東京都内23区で杉並区だけが成人式を会場で開いた。

 観光客が激減した浅草の仲見世商店街には成人式が中止になっても、若者がマスクを付け和服やスーツなどの服装で歩いていた。(Photo by Ken Shindo)