新型コロナウイルス感染症による死者が7日、世界全体で40万人を超えた。感染者は690万人超。米ジョンズ・ホプキンズ大が集計した。南米ブラジルで急増するなど世界各地で感染者が増え続けており、終息のめどはつかない。
感染者が最も多いのは米国の190万人で、死者も10万人を超えている。
日本では安倍晋三首相が4月7日に出した緊急事態宣言から6月7日で2カ月。都内の感染者数は5月下旬にかけ減少傾向だったが、同25日の事態宣言解除後は再び増加に転じた。東京都は7日、新たに14人の新型コロナ感染者が報告されたと発表した。夜の繁華街に関連しての感染が疑われるのは6人で、うち20~40代の男女3人は同じカラオケバーを利用していた。累計の感染者数は5383人になった。
都内の感染者数は3月下旬から急増し、4月中旬にピークに達した。5月下旬にかけ減少傾向だったが、同25日の緊急事態宣言解除後は再び増加に転じた。東京都は6月1日、東京は休業要請緩和の第2段階の「ステップ2」に移行する一方で、2日には東京都独自に警鐘を呼びかける「東京アラート」を小池知事の提案でスタートさせるなど、矛盾した対応をとっている。初の週末となった6、7日は人出が増えてきた。とは言え都民にとっても不安を抱えながらの繁華街への外出だった。
知事は「自粛解除は時期尚早」と言われながらもステップ2への移行を押し切り、その一方で東京アラートを出した。都庁とレインボーブリッジを赤くライトアップさせたイベント化はテレビ業界出の彼女らしいプロパガンダだ。だが「都の貯金」に当たる財政調整基金は、20年度末に9348億円を見込んでいたが、493億円にまで減り、このままでは底を突く。
小池都知事にも陰りが出てきた。背景に6月18日の知事選を控えて学歴詐称疑惑が浮上していることや、2021年夏に延期された東京五輪・パラリンピック問題がある。
コロナ禍を巡る安倍政権の対応もちぐはぐだ。ワクチンの開発も思うように進まない。決定的なのが新型コロナウイルス対策の持続化給付金事業を国から受託した一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」(東京)が、業務の大半を電通に再委託していた。さらに新型コロナウイルスの流行で打撃を受けた観光・飲食業を支援する「Go To キャンペーン」の事務委託先の公募も中止した。
新宿区役所裏通り周辺。ホストクラブやキャクラーが集中、多国籍の若い男女や客引が所々にたむろしている=4日午後11時、東京都新宿区歌舞伎町(Photo by Ken Shindo)
東京五輪・パラの1年延期で追加経費は3千億円ともされ、小池知事と大会組織委員会の森喜朗会長は6月4日、大会の簡素化を検討する方向で一致したという。いままで安倍首相は「完全な形」での開催をめざすとしてきた。