高市早苗首相が1月23日から始まる通常国会の冒頭に衆院を解散する検討に入った、と読売新聞オンラインが9日深夜に報じた。読売報道により、10日に与野党の動きが出たため11日になって、朝日新聞も「国会解散論が浮上」と書き、新聞各紙やテレビも続いた。朝日によると、高市氏は政権幹部に対して「通常国会冒頭解散も一つの選択肢」との考えを示したという。読売の「観測気球」報道により、事態が動いた感じだ。
冒頭解散だと、「当初予算の年度内成立が困難となる」ことから2026年度当初予算成立後に解散する案も政権内では根強いという。高市内閣は高い支持率が続いており、いつ解散してもおかしくない状況にあることは確かだ。側近の「核保有発言」や韓国の旧統一教会極秘文書問題などで国会で野党の追及を避ける狙いがあるのかもしれない。
また、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が13日から14日まで来日し、高市氏の地元の奈良で首脳会談を行い、15~17日にはイタリアのメローニ首相が来日する。高市氏が「得意」と自覚する首脳外交でさらに国民人気を高めて、一気に解散に持って行くという作戦なのかもしれない。
しかし、5日の伊勢神宮での年頭記者会見で、高市氏はまるで「選挙演説」のように、一方的に自分の意見を言いまくっただけで、記者クラブ側の緩い質問とあいまって実質的な内容はほとんどなかった。むしろ、年末の官邸記者クラブとのオフレコ懇談で航空自衛隊出身の核軍縮・不拡散担当の尾上(おうえ)定正首相補佐官が「日本は核保有すべきだ」との戦争被爆者の気持ちを踏みにじったと言われても仕方がない発言をした問題や韓国メディアが報じた旧統一教会と自民党との濃厚な接触を示す極秘文書のスクープ記事に高市氏自身も32回も登場していたことについて、記者側から全く何らの質問も出なかったことが現在のマスメディアの劣化を象徴している。このところのリベラルといわれるメディアを含めて「高市推し」が露骨すぎないか。権力監視の使命を忘れたのか。
さらに、昨年11月7日の衆院予算委での高市氏の「台湾有事は存立危機事態になり得る」との、結果として中国を挑発する発言を発端とした中国の輸出規制がさらに厳しくなり、中国商務省が6日、首相答弁を理由に、日本向けの軍民両用(デュアルユース)製品の輸出規制の強化を発表。中国国営メディアは、中国政府がレアアース((希土類)の日本向け輸出について輸出許可審査の厳格化を検討していると報じている(10日付朝日)。そんな事態になれば、今でも7割近くを中国からの輸入に頼る日本の産業、特に自動車産業にとって大きな打撃になることは間違いない。トランプ政権が関税問題で中国と妥協したひとつはレアアース問題だったといわれている。
それにもかかわらず、高市政権はこの措置を「許容しがたい」というだけで、中国との外交でほとんど何の手を打とうとはしていない(そう見える)のが現実だ。高市首相は人ごとのように「日本側は(中国との話し合いについて)いつもオープン」などと開き直っている。中国側が高市発言を「挑発」と受け止め、「発言撤回」を求めているのだから、外交的にそのことに対応する措置を取るのは当然だろう。中国側の執拗なやり方を批判する向きが多いのは確かだが、中国のやり方はいつも執拗である。外交の要諦のひとつは、問題が起きてから、できるだけ早く「妥協点」をどう探るかにあると思う。
このような対立は、あくまでも挑発した方が分が悪い。朝日が9日付の社説で「2カ月が過ぎて事態をなお悪化させようとする中国の動きを憂慮する」と書いた。しつこすぎるということだろうが、これは少し違うのではないか。事態を前に進めるためには「妥協点」を探り、結果として相手側が納得するような「発言撤回」をすべきだろう。言い方はいろいろあり、日本側が工夫すべきだ。高市氏は答弁直後、側近に「今日は少し言い過ぎた」と言ったと報道されたが、自分の発言が外交問題に発展したことを少しも反省していない様子だ。
むしろ高市氏は中国と「毅然と戦う」ことで世論の支持を上げていると考えているのではないか。誰も注意する人はそばにいないのか。経済界は明らかに困惑している。日中戦争時の近衛文麿首相の「国民政府(当時の中国)を対手(相手)とせず」との声明が戦争を泥沼化させて、アジア太平洋戦争の遠因となった歴史的事実を思い出そう。高市氏にはこういう想像力と歴史観がなさ過ぎる。
一方で、トランプ米大統領の暴走が止まらない。正月の約100人が死亡した南米ベネズエラ攻撃とマドゥロ大統領夫妻の拘束、さらには、同じ北大西洋条約機構(NATO)加盟国のデンマークの自治領であるグリーンランドの獲得に向けて「米軍の活用は常に選択肢のひとつ」と公言するなど、世界一の軍事力を背景にした常軌を逸した恫喝はとても許せるものではない。これこそ、「帝国主義的行為」である。7日には国連気候変動枠組み条約を含む66の国連組織や国際機関、条約などからの脱退を指示する大統領令に署名した。10日付の朝日によると、トランプ氏はベネズエラについて「我々が非常にもうかるやり方で再建する」「私には国際法は必要ない」「私を止められるのは私自身の道徳だけだ。私の心だ」と7日付の米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューに答えたそうだ。
さらに同じ日、トランプ氏は27年会計年度に国防予算として1・5兆ドル(235兆円)を米連邦議会に要求したという。現在の国防費は180兆円。2位の中国は38兆円。米国はとてつもない軍事大国になる。だからといって昨年末の安全保障戦略などで、「台湾有事」で日本が独自で戦った場合には、日本を助けてくれるとは限らないことがだんだん明らかになっている。トランプ氏べったりの高市氏もこの辺のことを日本のトップとして、本気で考えてほしい。日本も「中国リスク」だけでなく「トランプリスク」も考えておかなければならない時代に入ったということなのだろう。
今回も高市氏の動きを中心に記者クラブの会見対応の問題や週刊文春の統一教会の極秘文書スクープなど5本をフェイスブックに投稿した。
▼旧統一教会の特別報告に高市首相の名前が32回登場 なぜか日本での報道は毎日と日経のみ
韓国の聯合ニュースやハンギョレ新聞が年末に報じた旧統一教会の「TM(トゥルーマザー、真のお母様、韓鶴子氏のこと)特別報告」には、高市氏の名前が32回も登場していた。
旧統一教会の徳野英治元日本会長は、高市氏が21年9月に初めて自民党総裁選に出馬した当時、「高市氏は安倍晋三元首相が強く推薦している」「高市氏の後援会とわれわれは親密な関係にある」「岸田文雄氏や高市氏が総裁にえらばれることが天の思し召しとおもわれる」と報告した(ハンギョレ新聞)と書かれている。
ハンギョレ新聞のこの部分を報道したのは、私が確認した限りでは、每日新聞と日経だけ(後に東京新聞も)で、他のメディアは報じていない。ハンギョレ新聞のこの部分には、高市氏を神奈川県出身と誤った記述があった。
しかし、郷原信郎弁護士がX(旧ツイッター)に投稿したように「日本での活動の成果のアピールなので、若干の誇張の可能性はある。高市氏の出身地を間違えているのは、報告の正確性に疑問があることは否定できない。ただ、意図的に虚偽報告を行うことは考えにくい」。その上で、「根幹部分は事実と考えてよいのではないか」としている。全く同感である。
3000ページにもわたるものなので、どのような内容なのか。どちらにしろ、高市氏の部分をなぜ日本のメディアは書かなかったのか、書かなかったメディアには説明責任がある。
この報道をきっかけに、今度こそ、旧統一教会の日本での、自民党とのつながりの全容解明がメディアにより進むことを願わざるを得ない。旧統一教会という反社会的カルト集団がどれだけ、日本の政治に食い込み、高市政権や「スパイ防止法」制定の動きに連動しているのかも知りたい。(1月3日)
▼ホンネは一番にでも支持したかったのでは トランプ政権のベネズエラ攻撃
トランプ政権がマドゥロ大統領夫妻を拘束するなど、ベネズエラへのめちゃくちゃな国際法違反の攻撃への高市氏のコメント。ホンネは一番にでも、支持表明したかったのだろう。しかし、あえて、その是非をハッキリさせなかったことで、抗議や批判をしていないのだから、トランプ支持を事実上、表明しているのと同じだ。どうせならば、ハッキリ、トランプ支持を打ち出した方が「高市信者」には分かりやすかったのではなかったか。
これにより、米国も正式に「ならず者国家」の仲間入り。次はメキシコ、コロンビア、グリーンランドなどがターゲットか。「帝国主義」という言葉がテレビのコメンテーターや新聞にもちらほら出はじめた。久しぶりのことである。
何でもありのトランプ氏を懲らしめるため、民主主義や法の支配を求める世界の世論の力でトランプ氏の暴挙に制裁を加えるしかない。(1月5日)
▼なぜか質問をしない情けない記者たち
年末の12月18日に、官邸記者クラブとのオフレコ懇談で航空自衛隊出身の安全保障、核軍縮・不拡散担当の尾上(おうえ)定正首相補佐官が「日本は核(兵器)を保有すべきだ」(週刊文春と週刊新潮が実名報道)と発言。さらに、韓国の聯合ニュース(28日)やハンギョレ新聞(29日付)が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の内部文書だとする「TM(トゥルーマザー、真のお母様)特別報告」の内容をすっぱ抜いた。その中には21年の衆院選で統一教会が自民党議員290人の選挙応援をしていたり、高市氏の名前が32回も登場していた(高市氏のことを書いたのは日経と毎日)。
これらの問題について、私は1月5日、三重県伊勢市であった高市氏の年頭記者会見で記者から質問が出るかと注目していた。しかし、日本テレビのノーカット版の動画を見たが、残念ながら、そのような質問はいっさい出なかった。首相年頭会見は、新年の伊勢神宮参拝に合わせて行われる。朝日の「首相動静」によると、会見は5日午後2時30分から同3時3分までの33分間。会見には官邸記者クラブ(内閣記者会)と三重県政記者クラブの記者が参加した。
官邸記者クラブの幹事の共同と東京、県政記者クラブのCBCと伊勢新聞が代表で質問しただけで、時間が限られていたためか、他社からの質問はなかった。あらかじめ、加盟各社から質問を幹事社が集め、まとめたものを質問するらしい。だから、高市氏はいつもの笑顔を絶やさず(これをメディアは「早苗スマイル」と呼ぶ)、時々、プロンプターがあるのか、下を見て答えていた。ベネズエラ問題、解散総選挙、冷え切った中国との関係や衆院解散などいずれも当然予想される重要な質問ではあった。また、高市氏が故安倍晋三首相の遺影を掲げていた理由を質問し「もう一度、安倍総理を伊勢神宮に連れていきたかった。感謝の心とともにお伝えしたかった」と答えていた(高市氏は遺影をなぜか、額ではなく、クリアファイルに入れていた)。
約30分の年頭会見時間も恒例らしい。「首相動静」を見ると、高市氏は会見終了後の37分後に近鉄電車に乗っている。それにしても、12月17日の臨時国会終了後の記者会見も約40分と短かった。高市氏自身の冒頭発言も約20分。高市氏は5日はそのまま、午後7時半すぎには公邸に入っている。ということは、乗車時間の幅を事前にもっと多くとっておけば、30分以上の会見も可能な状態だった。そもそも、首相会見の時間が短かすぎないか。官房長官会見では済まない問題も多いはずである。また、会見テーマも場合によっては、政権や政局に大きく影響してもおかしくない首相マターの問題も当然ある。それにしても、側近の核保有発言や統一教会内部文書問題などについて記者側はなぜ質問しなかったのか。
今日(1月6日付)の朝日の天声人語。故中曽根康弘元首相が2001年になったら郵便局が届ける「ポストカプセル郵便」で21世紀の首相に宛てたメッセージのことを書いている。これを受け取った当時の首相は森喜朗氏。中曽根氏のその手紙には21世紀への期待や希望が記されていた。その内容は「核兵器の廃絶、人間の尊厳を傷つけない科学の進展、世界に信頼される国際国家としての日本」だった、という。
天声人語は「あの手紙は『21世紀の首相』のひとりである高市氏にも宛てられているはずだ」としている。天声人語は高市氏が米国のトランプ大統領によるベネズエラ攻撃を取り上げて「大国が国際法を無視した衝撃で年が明けた。だが、首相が自ら言及することはなかった」と批判的に書く。この部分は全く同感だ。しかし、天声人語の内容に戻ると、中曽根氏が手紙で言及した「核廃絶」について、なぜか側近の「核保有発言」のことはひとことも触れられていない。4日付の「核軍拡がもたらす危機」との社説でこのことにひとこと触れているので、それでよしと考えたのか。
旧統一教会の内部文書についても、東京(4日付)の元文科事務次官の前川喜平氏が「本音のコラム」で「高市首相と旧統一教会」と題して「高市氏や萩生田(光一幹事長代行)氏には、改めて旧統一教会との関係を説明する責任がある。メディアも野党もしっかり追及すべきだ」とした。
朝日も6日付の「高市政権の今年」と題した社説で「韓国で報じられた旧統一教会と自民との密接な関係についても、国会での説明が求められる」と書いた。ただ、高市氏の名前が32回も登場していることには触れていない。韓国メディアの報道が高市氏の出身地を実際は奈良県なのに神奈川としたことが影響したのかもしれないが、「高市氏32回登場」報道が韓国でなされたことは事実なので、触れるべきだったのではないか。事実が異なっているのならば、それはそれでニュースである。これに関連する新聞の記事は私の見た限りでは少ない。テレビは調べていない。
高市政権が抱える、年末に出たこの二つの大きな問題へのマスメディアの追及は甘すぎないか。23日から開会する通常国会で野党がこれらの問題をどう追及するのか。その力量が問われる。野党とマスメディアの追及こそがいま求められている。マスメディアは高市氏の高支持率で腰が引けていないか。トランプ氏と暴挙と合わせて新年から怒り心頭である。(1月6日)
▼週刊文春が統一教会の内部文署全文を入手、政界工作が赤裸々に
昨年暮れに韓国メディアが報道した旧統一教会の内部文書「TM(トゥルーマザー「真のお母様」)特別報告」の内容がほぼ明らかになった。韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁に韓国本部ナンバー2のユン・ヨンホ氏が、日本の徳野英治会長(当時)が上げた222回の報告をまとめた極秘文書で、韓国統一教会の政界工作の捜査の過程で見つかった。文書の期間は2018年から22年までで、日本での政界工作が赤裸々に語られていた。1月8日発売の週刊文春1月15日号で石井謙一郎氏と取材班が3200ページにわたる報告の全文を入手し、分析した。
本来は、大手メディアがやらなければいけない報道だが、在京各紙は今回の聯合ニュースやハンギョレ新聞の韓国報道にはなぜか冷たく小さな扱いで、高市氏が32回も登場することについて報道したのは毎日新聞と日経新聞だけだった。統一教会政界汚染の問題は自民党の「政治とカネ」の問題と合わせてマスメディアが追及しなければならないはずのテーマ。その姿勢が改めて問われている。
週刊文春1月15日号は「高市総裁が天の願い 統一教会㊙報告書」との見出しで4ページにわたる特ダネ記事出した。詳しくは、週刊文春を買って読んでもらいたいが、特に「高市首相への言及部分」を中心に記事の要点を紹介しておく。
まず、高市首相の32回の登場。私はこの部分がどのようになっているかが一番気になったが、1ページの1段半とあまり多くの記述は見られなかった。「記述が安倍晋三氏や萩生田光一現自民党幹事長代行より少ないのは23年で報告書が終わっているため」と文春は分析している。高市氏は教団と関連団体の「国際勝共連合の新聞『世界日報』で度々取材を受けるなど統一教会からの彼女への期待は大きい」と書いている。
この点について付け加えると、25年10月9日付の東京「高市早苗氏、旧統一教会の教義や教祖は『分からない』」では、同年9月30日配信のお笑いタレント、中田敦彦氏のユーチューブの番組に出演した高市氏が、教団の教義と自民党保守派の矛盾を語る中田氏に「教義って言うのは私、分からないですけれども」と返し、教義内容を聞いたのは「今、初めて」と強調。教祖の名前を問われると「済みません」とだけ口にした。文鮮明(ムン・ソンミョン)氏は知らない反応だったが、文氏の妻、韓鶴子氏の名前が出ると「あー『つるこ』と言っちゃ、ダメなんですよね」と急に答える一幕もあったとしている。1994-2001年には複数回(5回という説も)世界日報に登場、01年1月の紙面では議席の一定割合を女性に充てる「クオーター制」について「大反対」と持論を展開。安倍首相銃撃事件後の22年8月には、教団の雑誌「ビューポイント」に出ていたと会見で認め「統一教会と関係があるとは知らなかった」と述べている。
週刊文春の記事に戻る。2021年9月の自民党総裁選。当時は高市氏、岸田文雄氏、、河野太郎氏、野田聖子氏が名乗りを上げていた。旧統一教会の友好団体「天宙平和連合(UPF)ジャパン」議長だった梶栗正義氏は高市氏について「安倍元首相が強く推薦している(同年9月18日)」と記述。同日の徳野会長の報告はさらに印象的だ。安倍氏が高市氏を全面的に応援し、「高市氏を応援してほしい、と実に熱心に本人が直接電話をかけています」「支持がどんどん急速に拡大した」。そして、高市氏が総裁になるのが「最大の願いだ」と宣言したという。ハンギョレ新聞ではこの部分は「天の思し召し」となっている。
高市氏は週刊文春の事実関係の求めにこう回答した。
「教団と深い関係にあると言うことは一切ございません。党としては、調査結果も踏まえ教団との関係を完全に遮断したうえで、厳格化したガバナンスコードの遵守を徹底しており、今後もその方針に揺るぎはありません」
週刊文春の記事にはこのほか、徳野会長が安倍氏と会ったのは、二次政権以降計6回と証言(これまでは朝日が13年の面会を写真付きで書いていた)。萩生田氏がエルメスのネクタイを贈られるなど、教団とかなり深い関係にあることや、安倍元首相銃撃事件で殺人などの罪に問われた山上徹也被告が統一教会会員だったが、事件後、田中富広会長(当時)の指示で会員記録を削除したことなどを書いている。牧島かれん元デジタル担当相や長島昭久前首相補佐官の名前も挙がる。長島氏は合同結婚式を挙げていた元会員で、「学生時代に入会した。霊感商法被害が知られ始めてから、30年以上前に脱会した」とコメントした。
また、選挙応援した自民党の国会議員は290人というショッキングな報告もあった。自民党は22年7月8日の安倍元首相銃撃事件後、統一教会と議員との接点を調査したが、接点があったとされたのは179人で、氏名が公表されたのは121人にすぎない。旧統一教会は反社会的カルト団体である。このような自民党自身で行ったアンケート形式の調査などあてにならないことが改めて裏付けられた。
高市氏は自身の接点については「知らぬ存ぜぬ」の態度を取り続けてきたが、東京の記事で紹介したとおり、本当に大丈夫だろうか。東京は8日付の「教団との関係 自民は疑惑と向き合え」との見出しの社説で、初めて高市氏が特別報告で32回も登場していることを伝えた。その上で、高市政権の掲げる「スパイ防止法」はかつて旧統一教会の関連団体の「国際勝共連合」が全国で制定推進運動を進めていたこととの関係を指摘し「高市氏は教団との関係を改めて国民に説明すべきである」と書いている。それとともに、改めて国会に特別委員会を設け参考人招致や証人喚問をやる必要があるのではないか。そもそもそんな状況下で高市政権がスパイ防止法制定をしようとしていること自体、いくら支持率が高いからといって、日本の安全にとって、とんでもない振る舞いである。マスメディアにはその認識が足りない。(1月8日)
(了)