香港での反政府的な動きを取り締まる「香港国家安全維持法」が6月30日、中国の全国人民代表大会の常務委員会で全会一致で可決され、成立した。これを受け香港政府は、6月30日、同法を公布し、即時に施行した。
香港国家安全維持法の可決を受け、香港の高度の自治を認めた「一国二制度」は形がい化し、民主派や独立派の団体が相次いで解散を表明するなど、民主派は窮地に追い込まれた。
民主派の立法会(議会)議員らは「(中国は)最も冷酷なやり方で、香港人の自由と尊厳を奪った」と批判した。
香港の映画スター、ジャッキー・チェン氏ら2千人を超える香港の芸能関係者は5月末までに連名で同法の支持を表明していた。
チェン氏は、2013年「中国人民政治協商会議」の委員に就任。18年3月に開かれた政治協商会議中に「香港映画などない。あるのはただ一つ、中国映画だけだ」と発言し、香港映画界からもひんしゅくを買った。
2019年8月には、中国国営中央テレビに登場して「愛国」を訴え、「最近、香港で起きたことに心が痛む」と述べた。
香港の代表的な映画スターと言えば、半世紀前に亡くなったブルース・リーだ。リーが今生きていれば、チェン氏が国家安全維持法を支持したことをどう思っただろうか。