コラム「政治なで斬り」「自民党新総裁に岸田氏」安倍前首相の傘の下に 「負の遺産」包み隠す政権運営か 目新しい政策なく   

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 菅義偉首相の後任を選ぶ自民党の新総裁に岸田文雄前政調会長が決まりました。決選投票で岸田・高市連合によってゴールインしたことは 細田派の安倍晋三前首相の傘に入ったことになり、安倍政権の「負の遺産」を包み隠しながらの政権運営になって行くということになるのでしょうか。

第一課題は安倍・菅政権の総括と検証

 安倍・菅政治9年の総括と検証は政治の第一課題です。「令和版所得倍増政策」を打ち出し経済成長を目指しつつ、分配に比重を置くとしているところが、アベノミクスとはひと味違う点です。

 強いて期待が感じられるところと言えば、宏池会の流れを汲み、国民を分断化しそうな所得格差の是正路線をポイントにしていくのでしょうか。消費税は向こう10年程度据え置くとも言っています。

安倍「亜流政治」

 内政・エネルギー問題などでは、原発の再稼働容認、新型コロナウイルス対策では健康管理庁の新設を掲げています。しかし女系天皇反対など党内の保守系右派の協力狙いの姿勢も見受けられ、安倍亜流政治への流れを感じます。

 外交・安全保障も日米同盟基軸を踏襲し、かじ取りの難しい対中外交では人権問題重視、対話の継続など目新しい面はなさそうです。せめて広島出身者として核禁条約推進グループへのオブザーバー参加検討ぐらい言わないといけませんね。2000年以上前から「文章は経国の大業、不朽の盛事」と言われています。権力を監視するメディアの役割がますます重要になります。