衆院選で自民党が単独3分の2以上の議席を受けたことに力を得て、高市早苗政権は「国論を二分する大胆な政策」の中でもハードルの高い憲法改正について着々と準備を始めた。
10日付東京新聞などによると、高市首相は2月9日、獲得議席316という大勝利を受けて党本部で記者会見し、改憲について「国の理想の姿を物語るのは憲法。未来を見据えながら改正に向けた挑戦を進めていく」とした上で「論点整理や議論の蓄積も踏まえて改正案を発議し、少しでも早く国民投票が行われる環境を作れるよう粘り強く取り組んでいく覚悟だ」と踏み込んだ。これに先立つ自民、維新両党の党首会談では改憲に向けた取り組みを加速させることを申し合わせた。与党間ではすでに条文起草協議会を設置して議論が始まっている。
高市氏は衆院選では当初、街頭演説で改憲を訴えることはなかった。終盤近くになって、「自民党300議席を超える勢い」とのマスメディアの情勢分析が出るやいなや「憲法になぜ自衛隊を書いてはいけないのか。実力組織として位置づけるため憲法改正をやらせてほしい」と訴えた。自民が9条への「自衛隊明記」や「緊急事態条項の創設」などを訴え、アクセル役の日本維新の会より踏み込んだ「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」との「戦力不保持」を定める9条2項の削除を主張している。
衆院選で大勝ちしたからといって、国民は高市内閣にすべてを「白紙委任」したわけではない。2月14、15の両日に実施した朝日新聞世論調査では、高市首相に一番力を入れてほしい政策を5択で選んでもらうと、①「物価高対策」51%②「子育て・社会保障」19%③「外交・防衛」13%④外国人政策9%。5番目に「憲法改正」5%となっている。憲法改正は自民支持層でも5%、内閣支持層でも4%にすぎない。この調査では、「自民議席は多すぎる」が62%、「国論二分政策は慎重に進めるべきだ」が63%にも達しており、結果として、大部分の有権者にとっては、思いもよらずに(死票が多い小選挙区比例代表並立制もあって)自民に3分の2を超える議席を与えてしまった。しかし、憲法改正のような「国論二分政策」は「慎重に進める」というのが民意と見てよいだろう。
高市氏が記者会見で「憲法改正」を強調するのは、師と仰ぐ故安倍晋三首相がやろうとしてできなかった問題に手を付け、後世に名を残したいという野望があるのだろう。高市氏の著書「美しく、強く、成長する国へ 私の『日本経済強靱化計画』」(21年9月、ワック)や保守系雑誌「Hanada」に昨年12月号に載った「独占特別手記」の「わが国家観」から高市氏の憲法観を垣間見ることができる。その要旨を紹介し、高市氏の狙いを確認しておきたい。
「美しく・・」の著書の終章には「新しい日本国憲法の制定」という項目があるが、この文章は「Hanada」の憲法改正の必要性を説く部分と内容はほぼ同じだ。この中で高市氏は「現行の『日本国憲法』は、占領下において、連合国軍総司令部(GHQ)が指示した草案をもとに制定されたものだ。国家主権が制限された中で制定された憲法は、形式的には国会における手続きを経たものの、『公職追放』が行われていた時世の中で、国会議員や国民の自由な意思が反映されなかったものだ。本来、(日本が)主権を回復した1952年に、国会は憲法改正に着手すべきだった」と述べて、いわゆる右派が強く主張してきたGHQによる「押し付け憲法論」を展開する。
その上で高市氏は「私は数多くの議員立法作業を行ってきた、その立法作業の過程では幾度も現行の日本国憲法の制約による壁に阻まれた経験がある」として憲法12条をやり玉に挙げる。12条は自由権及び人権を保持する義務、濫用の禁止について規定し、11条、13条とともに「人権保障の基本原則」を定めている。
12条は「この憲法が国民に保障する自由及び権利」について「国民はこれを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う」としている。このことについて、高市氏は「自由や権利には公共の福祉による一定の制約が可能だと思うが、立法作業や提出に向けた手続きに際しては、圧倒的に「自由」と「権利」が優先されてしまう。だから、今を生きる日本人と次世代への責任を果たすために、時代のニーズに応えられる『日本の心を持った、日本人の手による、新しい日本国憲法』を制定することが、政治家としての最大の目標」としている。
続けて高市氏が理想とする英国のサッチャー元首相の言葉を引用。「大事なのは合意を取り付けて大多数を満足させることではなく、何をなすべきかという確固とした信念に立脚することです」。最大の目標を実現させるに当たって必要なのは「合意」ではなく「信念」だと言い切っている。
その「制約の壁」の例として、次のような主張をしている。①04年にイラクで2回発生した邦人人質で法律案を書き始めたところ、憲法22条が「居住、移転」「外国に居住する」自由を認めていることや14条の「法の下の平等」によって立法作業が頓挫してしまった②08年には、2年以上を費やして起草した「インターネット上の有害情報から青少年を守るための法律案」を国会に提出するべく奮闘していたが、憲法21条の「表現の自由」「通信の秘密」がネックとなって、成立した法律からは全ての義務規定と罰則規定が削除され全く実効性のない法律となったさ③11年には外国資本による水資源の買収を防ぐために「森林法改正案」を書いたが、憲法29条の「財産権」との関係で、最終的に骨抜きの内容となったー。まるで憲法の規定が邪魔なような書きぶりである。「非核3原則」についても編著書で高市氏は「『持ち込ませず』は邪魔」とまで言っていた。同じ発想なのだろう。
高市氏が言いたいのは、憲法が保障する個人の「権利や自由」よりも、「責任や義務」が必要ということなのだろう。これにより、高市氏が「憲法が権力や国家を縛る」という「立憲主義」を全く理解していない考え方の持ち主であることが分かる。
ただ、高市氏の「憲法観」は、自民党が改憲への入口として、とりあえず実現しようとしている①9条への自衛隊明記②緊急事態条項創設③参院選挙区の合区解消④教育の充実―の改憲4項目にとどまらない。それどころか、12年、自民党が野党時代に作った「天皇の元首化」や「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」などの文言を盛り込んだ、現行憲法とは全く異なるかなり超保守的で復古主義的な「新憲法草案」の実現を高市氏が将来的には狙っていると見て良さそうである。事実、高市氏はみずからのサイトで、この草案を「大好きです」と明かしている(13日付東京新聞「こちら特報部」)。
率直な物言い(真偽不明の言葉もある)を繰り返す高市氏ならば「何かやってくれる」とのふわっとした期待(これを「有権者のポジティブ思考の現れ」と指摘する学者もいる)や約3億円かけたといわれる高市氏動画の再生回数1・6億回など自民党ネット戦略を問題視する(週刊新潮2月19日号)メディアもある。自民大勝利の分析は必要だが、衆院で316という自民党単独で改憲発議ができる議席数を与えてしまったことも現実である。
自民、維新の与党は参院ではまだ少数であり、各党の改憲に対する主張もさまざまでその調整も必要だ。国民投票という高いハードルもある。ただ、参院でも野党の中には改憲に賛成する党も複数あり、話し合い次第では3分の2を超えて発議まで言ってしまう可能性も出てきた。国会での憲法改正論議は否定しないが、高市氏の「憲法観」がとても心配である。いよいよ国会が始まる。「一強多弱」の政権の暴走を止めるには、圧倒的少数となった護憲派野党の力はあまりにも弱い。朝日新聞調査から見ても、少なくとも世論がいま高市氏にしてほしいことは、たった5%しかない「憲法改正」ではないはずである。マスメディアを中心に権力監視機能を高めなければ、「それ行けどんどん」で高市氏の狙い通りの憲法改正作業が進んでしまう。いま、日本の戦後民主主義は大きな岐路に立っている。
今回も高市政権の総選挙での大勝利を中心に6本をフェイスブックに投稿した。
▼NHK討論番組ドタキャン問題 側近たちが火消しにおおわらわ
高市氏のNHK討論番組ドタキャン問題。本来ならば、文春砲にとどまらす、全マスメディアが追及するテーマだ。政権側は官房長官まで出てきて、火消しに大わらわだ。統一教会問題を討論で追及されるのが嫌でドタキャンしたとするならば、首相としての資質が問われる緊急事態だ。こんな人物をトップとする自民党に投票してはならない。いま、有権者の良識が問われている。(2月6日)
▼自民大勝報道に諦めず投票へ
私には、創価学会の友人はいないが、やっと、創価学会による2,3日前から選挙区での中道へのフレンド票掘り起こしの活動が本格的に始まったとのLINE友達からの情報。また、創価学会はメディアの世論調査に応じない戦略を取るので、接戦区は最後まで結果が出るまで分からないとの専門家の分析もある。公明党票は各選挙区に1万から2万票あるといわれている。
大手メディアの情勢報告はいずれも自民大勝だが、あきらめることなく、投票に行こう。高市自民大勝を阻止しないと、戦後民主主義は崩壊する。(2月7日)
▼高市氏への多くの懸念
自民党単独で衆院の3分の2以上を占める大勝利ー。一体、何が理由なのか、本当のところはおそらくご本人さえも分からないだろう。まだ、大きな政治的争点もなかったのに、有権者は高市首相を勝たせすぎた。
2月8日午後11時前、与野党で3分の2以上の獲得が確実とのNHK報道の直後に党本部に現れNHKインタビューに応じた高市氏の表情からはいつもの作り笑いは完全に消えていた。私には、むしろ厳しめの顔が秘めた強い決意を新たにしているように見えた。高市氏の口から出たのは、普段なら、選挙での勝利者が真っ先に言うはずの、大きな支持を与えてくれた有権者への感謝の言葉ではなかった。その代わりに「経済政策の大転換、安全保障政策の強化、インテリジェンス能力の強化など反対もたくさんある政策について訴えてきた。信任をいただけたら、一生懸命取り組まなければいけない」との言葉を強調した。これは高市氏が官房長官や側近以外にしか相談せず、野党の準備が整わないスキを狙った「解散作戦」が成功、賭けに勝って国民の「お墨付き」を得たとの自信や満足感からくる次への「闘争宣言」なのかもしれない。
このインタビューの「反対もたくさんある政策」という言葉は、以前に言った「国論を二分する政策」ということなのだろう。どのような内容なのか、スローガンだけで、選挙中も詳しい内容の説明はなく、ほとんどこれらの問題に触れることはなかった。NHKの党首討論番組に「手の痛み」を理由にして欠席したのも、今から見れば、実はその一環だったのかも知れない。高市氏は本気でこれらの政策をやるつもりなのだろう。高市氏のあまりの大勝ぶりに「戦前が始まった」という識者もいる。それもあるが、私は「高市一強」よりも、党内で誰も注意する人がいない事実上の「高市独裁」になる危険性の方を恐れる。
そこで2月9日付の朝日新聞朝刊の2面に掲載された表に注目した。「高市政権がめざす主な政策と指摘される懸念」。七つの「懸念」が並ぶ。(朝日記事本文に私の考えも補足した)。
①「スパイ防止法の制定」 思想・信条の自由などを脅かす懸念 自民党は中曽根康弘政権時代の1985年「国家秘密法案」を国会に提出。最高刑は死刑で、国民生活も広く処罰対象になりかねないことに世論が強く反発して廃案となった。日本は「スパイ天国」だなどと統一教会を中心に「スパイ防止法制定国民会議」を作って草の根の地方議会での意見書採択運動を展開した。当時は統一教会マターだった。石破茂前政権は「スパイ天国」との見方を否定している。参政党などがすでに法案を提出している。
②「対外情報庁の新設」 諜報・監視活動が国民に向かう懸念 米国の中央情報局(CIA)をモデルに諜報活動を行う機関を27年度末までの創設をめざす。同時にインテリジェンス機能の司令塔で、首相官邸直属の「国家情報局」を作る。専守防衛の平和国家に日本版CIAなど必要なのか。
③「輸出できる武器を限定する『5類型』を撤廃」 殺傷能力のある武器の輸出が大きく広がる可能性 防衛装備移転3原則の運用指針が定める「救急」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」の五つの類型を撤廃する。日本、英国、イタリアで共同開発する次期主力戦闘機を他の外国にも売ることができるようにする これをきっかけにどのような殺傷兵器でも輸出ができるようになる。
④「安全保障保障関連3文書の前倒し改定」 「非核3原則の堅持」が維持されない可能性 今年中に取り組む。高市氏は自分の編著書で「持たず、作らず、持ち込ませず」の「3原則」のうち「持ち込ませずは邪魔」、と書く。この問題で高市氏は質問にだんまりを続けており、核軍縮などの元制服組の担当首相補佐官がオフレコ懇談で「日本も核保有すべき」と発言し、問題となった。連立相手維新の選挙公約には「核共有」の言葉もある。GDP比2%から3・5%、5%と日本はいつの間にか世界でトップクラスの軍事大国になる。
⑤「日本国国章損壊罪」 表現や思想の自由を脅かす恐れ 参政党がすでに刑法改正案を提出 維新の会も推進。刑法に外国国旗損壊罪があるのに日本国旗にないのはおかしいという理由。日の丸にバツ印をつけただけで罪に問われる恐れがあり、弁護士会などが反対している。このような法律をわざわざ作る立法事実はあるのか。
⑥「外国人政策の厳格化」 排外主義の広がりや経済への悪影響の懸念 高市氏はあくまでも「排外主義と一線を画する」としているが、その政策には、「多文化共生」よりも「厳格化」が目立つ。外国人抜きで少子化が進む日本の経済はうまくいかないのではないか。政府が率先することにより、逆に排外主義が広がる。
⑦「旧姓の通称使用の法制化」 選択的夫婦別姓の議論が停滞する可能性 選択的夫婦別姓封じとして高市氏が打ち出した政策。これでは、当事者が不便だということだけでなく、「選択的夫婦別姓」を強く望む人たちのアイデンティティはどうなるのか。
朝日記事にはこの七つの懸念が上げられている。さらに、高市氏が掲げる「責任ある積極財政」についても、経済の専門家からは円安を招き、インフレが進み、物価高を助長する、と強い批判が出ている。物価が上がり続けているのに、政策を引っ込めない。その精神がよく理解できない。
そして、高市氏が衆院議員時代に「Hanada」に寄稿し、昨年の首相就任後の12月号に掲載された「特別手記 わが国家観 日本に生まれてよかった」によると、「私は、国家の究極の使命は『国民の生命と財産』『領土・領海・領空・資源』『国家の主権と名誉』を守り抜くことだと考えます」と書き、「国民」より「国家」を重視する姿勢を示している。そして、「国民としての義務と責任」よりも「個人の権利と自由」が重んじられるようになり、その結果、昨今では「他人に過度の負担をかけても、自分だけは得をしたい」「国家や社会に迷惑をかけても、自分の権利を貫きたい」という考え方を持つ人の行動が目にあまるようになってきました」とし、「私たちが自由を享受し権利を行使する場合には、それに伴う責任と義務を十分に認識することが大切だと考えます」と書いている。高市氏は自民党が野党時代に「さもしい顔をしてもらえるものをもらおう、弱者のふりをしてでも得しよう、そんな国民ばっかりになったら、日本は滅びてしまう」と「生活保護受給者への批判」に触れる発言をしたことがあり、昨年11月に参院予算委で野党から追及されている。
また、「わが国家観」では、教育勅語について、「幼いころに両親が繰り返し教えてくれた」とし、「『現代においても尊重するべき価値観』ですし、子どもも大人も覚えて繰り返し唱和することで、日本人全体が心を合わせて道徳を実践する空気を醸成したものだと思います」と礼賛している。このように高市氏は戦前の価値観を今でも背負う宰相だといえる。大勝ちし過ぎて、その地がいつか現れるのではないか、とても心配である。高市氏の今後については「マスメディア規制」と「教育の戦前化」も気になる。(2月9日)
▼「9条護憲派までもが納得する議論を」 小川・中道新代表が釈明
衆院選で壊滅的な大敗をした中道改革連合。13日の代表選で立憲出身の小川淳也氏が代表に選ばれた。
小川氏は早速、憲法改正をめぐり「自衛隊の明記があり得ないことだと思っていない」と発言し、当初は私もガッカリした。しかし、朝日新聞(14日付朝刊)はこの発言の前提として小川氏が「9条の積極改憲論者ではない」と述べており、同日夜にX(旧ツイッター)で「9条護憲派までもが納得する冷静で実務的な議論でなければならないと申し上げたのが真意だ」と釈明、発言を訂正している。
当初の発言は少なくとも高市政権のもとでの改憲は絶対に認めてはいけないとの私のスタンスからすれば、高市政権擁護と見られかねない許せない内容だ。しかし、小川氏はすでに発言を訂正しており、新たな高市政権への対抗軸を構築し、平和を確保する意味でも、容認せざるを得ない。いま、必要なのは「#ママ、戦争止めてくるわ」である。私のような80歳の「ジジイも」死ぬまで戦争には絶対に反対する。日本で310万人、アジアで多くの人が亡くなったあの戦争は何だったのか。高市政権を選挙で支持した人々に改めて問いたい。(2月14日)
▼「長期的な国際秩序の問題」と捉える中国
日本は今後、中国とどう付き合っていくのか。高市首相が昨年11月の衆院予算委での「台湾有事」答弁以来、日中の関係は悪化するばかりだ。
外交の要諦は「相手への敬意を払いながらの粘り強い交渉」と「対立ではなく妥協への柔軟性」にあるはずなのに、高市氏は「日本側の対話の窓はオープンにしている」と言うだけで、中国側による政権への「答弁撤回」要求を頑なに拒んでいる。
そんな中、2月17日付の東京新聞朝刊に北京発の共同通信電で「日本は『新型軍国主義』」との記事が掲載された。中国がこの言葉を使ったのは初めてという。
記事は、中国が「新型軍国主義」という言葉で日本を批判し始めた。18日に発足する第二次高市政権が憲法改正に向けた議論や防衛力増強を加速させることを中国は警戒しており、対日対抗措置を念頭に置いた「理論構築」の一環との見方も出ている、と書く。
そして、中国共産党機関紙、人民日報の論評は「日本の右翼が侵略の歴史を否定し、非核3原則を見直し、平和憲法から離脱することを望んでいる」と高市政権を批判。「新型軍国主義の執念に基づき日本を改造しようとしている」と主張している。
このことについて、加茂具樹慶応大学教授(中国政治)は「新型軍国主義は日本という国家の進路を定義し直す言葉で重い意味を持つ」と指摘。「中国が対日関係を一時的な摩擦ではなく、長期的な国際秩序の問題として捉え始めたことを示唆している」と分析する。
国際面の小さな記事ではあるが、今後の日中関係のさらなる深刻化を予言しているかのようだ。今回総選挙で高市自民が圧勝し過ぎたことで、日中関係は中国からみれば、「高市首相個人」の問題から高市氏を支持した「日本国民全体」へと、さらに悪い方向へエスカレートしたのではないか。レアアースが中国から入らなくなる問題も大きいが、経済にとどまらず、軍事問題にまで発展する可能性も出ている。
中国との対立を続けることが、高市氏の高い支持率を保つことには有効かもしれないが、本当に日本の国益になるのか。いま、世界は米国をはじめ中国との関係再構築の方向に向かっている。高市政権が打ち出す安保、防衛政策をみると、「新型軍国主義」という言葉は確かにきつ過ぎる面はあるものの、全く荒唐無稽だとも思えない。高市政権には、一刻も早く、日本側から中国との関係修復を図ることを望む。(2月17日)