「けど、もういいんじゃない?10人もの後輩がね、こんな羽目に陥ってさ。もうそろそろいいんじゃないの?」。総務省が12人の総務省幹部職員と、総務省出身の山田真貴子内閣広報官が延べ39回にわたり計60万円を超える接待を放送関連会社「東北新社」から受けていた問題での調査結果を発表した2月22日夜、吉田真人総務審議官(国際担当)は、自宅玄関前で週刊文春記者にこう答えた。
開き直り
一方、総務省官僚から菅義偉首相に抜擢され、官邸官僚の「内閣広報官」(特別職)に出世、首相記者会見を仕切る山田氏は25日の衆院予算委、内閣委に参考人として呼ばれた。高額接待を受けたことを「心の緩み」と謝罪はしたものの、東北新社からの「働きかけはなかった」として「内閣広報官続投」を〃宣言〃した。
2019年11月の総務審議官(国際担当)当時の東北新社との1人7万4千円ものホテルでの会食に菅氏の長男で東北新社総括部長の正剛氏(子会社の囲碁将棋チャンネル取締役を兼務)と同席したことを立憲民主党の今井雅人氏に問われた山田氏。「私自身、仕事、プライベートでも、お会いする方がどういった方のご子息であるかとかは、あまりお付き合いに関係がないと思っている」と強調。その上で「私にとって(正剛氏の同席は)大きな事実だったかというと、必ずしもそうではないのではないか」と開き直るように反論した。
さすがにかつて若者たちに対するビデオメッセージで「イベントやプロジェクトに誘われたら絶対に断らない。飲み会など(何事にも)断らないことが大事」と公言した〃わきまえた女性官僚〃の堂々とした態度での答弁ぶりに何か変に納得してしまう。吉田氏や山田氏の態度ではっきりしたことは、「謝罪」という言葉は口にするものの、決して自分たちは悪くない、という無反省の姿だった。接待に関与した官僚たちは決して反省などしていない。そもそも総務省の処分が「減給」「戒告」という大甘なものだったからだ。山田氏に至っては、菅氏の意向なのだろう、現在は総務省をやめ、「内閣広報官」は特別職であるとの理由で官房長官からの「厳重注意」のみ、給与の一部自主返納というさらに甘い処分となった。
「目玉人事」で辞めさせられない女性広報官
菅氏が自著「政治家の覚悟」(文春新書)で自慢したように、総務大臣時代の菅氏にモノを申して更迭・左遷された官僚と異なり、菅氏に従順なゆえに生き残り「有能」と判定されて、重用されてきた官僚たちは、問題を起こしても「赤信号みんなで渡れば怖くない」と言わんばかりに、東北新社の接待に応じた。山田氏の続投に象徴されるように、局長ら2人が更迭されたものの、全体的にユルユルの政府対応となった。おそらく、政権は山田氏を切れば、菅氏自身の「任命責任」にことが及ぶと考えたのだろう。また「山田氏本人はホンネでは『もう辞めたい」と思っているはず。(女性の広報官)は政権の目玉人事で、菅氏が自分の失敗になってしまうので辞めさせないのだろう」(政治アナリストの伊藤惇夫氏、26日付東京新聞朝刊)との見方もある。
いわずもがなのことだが、この問題で一番よろしくないのは、菅氏自身である。菅氏は、仕事がなく「プラプラしていた」長男を総務大臣の政務秘書官に就かせて、さらに「長年の知り合い」だという秋田県出身の創業者(故人)の東北新社に入社させるという2度にわたる自分の息子に対する「特別扱い」が問題なのだ。そのことが、贈収賄事件といわれてもおかしくない今回の接待事件を招くきっかけになったことはご本人も認めている。「苦労人神話」同様、菅氏が何度も口にする「世襲批判への信念」もすでにボロボロである。
菅氏は22日、13人の幹部らが東北新社側から延べ39回に及ぶ接待を受けていたという調査結果が報告された際に、この問題について、衆院予算委で「私の長男が関係して結果として公務員が国家公務員倫理法に違反する行為をすることになった。心からおわび申し上げ、大変、申し訳なく思う」と謝罪した。同様の謝罪は24日の処分時にも繰り返された。菅政権は、25日の衆院予算委での山田内閣広報官の参考人招致で問題の幕引きを図るつもりだったようだが、そうはいかない。菅氏は今回の問題をまさか「謝罪」だけで済ますつもりか。菅氏には、いま、「政治責任」をどうとるのかが問われている。
総務省が24日発表した倫理法の国家公務員倫理規定に違反したとする処分は、谷脇康彦総務審議官(会食4回、計11万8千円)と吉田総務審議官(同5回、6万5千円)がそれぞれ減給10分の2を3カ月、秋本芳徳前情報流通行政局長(7回、10万3千円)が減給10分の1を3カ月、湯本博信前同局官房審議官(3回、2万9千円)ら計7人が減給、2人が戒告の9人が懲戒処分、2人が内規の基づく「訓告」「訓告相当」と計11人が処分を受けた。秋本、湯本両氏は役職を解かれ更迭された。武田良太総務相は給与3カ月分の自主返納、黒田武一郎事務次官は厳重注意とした。計6万円以上が5人、回数は秋本前局長7回、5回が3人、4回が1人、あとは1,2回となっている。
刑法の贈収賄罪は、公務員が便宜を図っていなくとも、職務に関係のある業者から接待を受ければ成立する。東北新社はBS,CSなどの衛星放送を運営する業者であり、接待を受けたほとんどの総務省職員はその許認可に関係する部署にいた。懲戒処分には「免職、停職、減給、戒告」とあり、「減給」や「戒告」にとどめた今回の処分は、確かに甘いといわれても仕方がない。
「行政ゆがめる不適切な働きかけ」はなかったのか
特に問題なのは、山田真貴子内閣広報官である。山田氏は22日の総務省の調査結果で初めて東北新社から接待を受けたとして名前が公表された。これまでの〃文春砲〃で名前が挙がっていなかったために、余計に目立ってしまった面がある。2月15日の衆院予算委では、山田氏は総務省を通じて「正剛氏らと会食した明確な記憶はない」と否定していた。総務省は22日、倫理規定に違反する疑いがあるのは、谷脇総務審議官ら12人、会食は延べ38件と発表。これとは別にわざわざ「内閣広報官:山田真貴子氏の事案について」との文書を発表した。
これによると、「(山田氏は)東北新社との職務上の直接の関係はなかったが、職歴上、国家公務員倫理法上の利害関係者に該当していた可能性が高いと考えている」と前置き。その上で、総務省総務審議官当時の2019年11月6日午後6時半から、東京・虎ノ門(のホテル)で、東北新社社長の二宮清隆氏、同取締役の三上義之氏、東北新社メディアサービス社長の木田由紀夫氏、菅首相長男の菅正剛氏と懇談。(山田氏によると、和食でステーキと海鮮料理だったという)。飲食単価は7万4203円。タクシー券や土産物なし。費用負担は東北新社。そして「会食時の会話」として「放送業界全体の実情に関する話はあったかもしれない。また、業界全体の実情を話す中で、グループ会社の話題が出たかもしれない。しかし、行政をゆがめるような不適切な働きかけはなかった」と書かれている。しかし、「衛星放送の許認可に関わる話は本当になかったのか」について、徹底して山田氏を調査した形跡は見当たらない。
二宮社長は東北新社の〃ドン〃で、39回の会食のうち、出席したのは山田氏と総務省ナンバー2の谷脇氏だけである。東北新社側の接待意図や山田氏に対する優遇ぶりがよく分かる。山田氏のこの日の会食は二宮氏の社長就任の祝いだったとの報道もある。
この調査結果は、山田氏が東北新社から確認をとりつつ、現時点での確認できた範囲での事実関係として報告があったものであるようだ。要するに、山田氏の自主的な報告ということなのだろう。本人の自主的な報告だけに基づいて事実認定できるのか。山田氏については、昨年9月に総務省をやめて、特別職である内閣広報官に就任したため、総務省による処分はできず、月額給与の10分の6に当たる70万円余を自主返納する。
山田氏は「深く反省」と首相
菅氏は24日に山田氏について「深く反省している。女性の広報官として期待しているので、そのまま専念してほしい」と続投させる考えを示している。山田氏も25日の予算委で「今後、職務を続ける中で、自らを改善していきたい」と述べ、内閣広報官を続投する考えを自ら表明した。菅氏は続投理由に「女性広報官としての期待」を強調したが、これこそジェンダー問題の悪用ではないのか。
山田氏は早大を卒業後、1984年に旧郵政省に入省、谷脇総務審議官と同期。2013年11月、安倍政権下で初の女性首相秘書官に抜擢されてメディアの注目を浴びた。06年に総務大臣をしていた菅氏が「極めて優秀で配慮の行き届いた官僚がいる」として、自身の天領である総務省からの首相秘書官として安倍氏に推薦した(週刊文春3月4日号「菅首相長男違法接待 本誌が掴んで書かなかった全情報」)。そしてその後も情報流通行政局長、総務審議官と順調に昇進。昨年9月、これも女性初の内閣広報官に就任した。同誌によると「山田氏はとりわけ、菅氏の寵愛を受けてきた」という。更迭された秋本氏に代わって情報流通行政局長に就任したのは、郵政省では3期下で山田氏の夫の吉田博史氏だった。
NHKキャスター降板につながる「クレーム疑惑」
特に、山田氏の存在をクローズアップさせたのは、昨年10月26日放送のNHK「ニュースウオッチ9」。菅首相が生出演した際に、有馬嘉男キャスターが、日本学術会議の任命拒否問題で、「総理自身、説明される必要があるんじゃないですか」などと質問。これに対して、菅氏は「説明できることと、出来ないことってあるんじゃないですか」と逆ギレした。その後、山田氏は、NHKの原聖樹政治部長に電話をし、「総理、怒ってますよ。あんなに突っ込むなんて。事前の打ち合わせと違う。どうかと思います」とクレームを付けたことが、昨年11月、週刊現代で報じられた。ことしになり、有馬キャスターが年度内に降板することが決まったことから、これも「政権の圧力」と報じられたが、NHK側は否定している。
このときの山田氏の対応がNHKへの圧力と問題にされた。メディアの報道に時の政権が圧力をかけることは、民主主義国家にとってあってはならない問題だからである。菅氏は総務大臣を経験し、しかも総務省は自分の「天領」と思っているのだろう、首相となっても「NHK受信料金の値下げ」や「NHK改革」などをぶち上げ、〃介入〃に熱心であるようにみえる。山田内閣広報官の振る舞いは、菅氏のこのような意向に沿う発言だとして国会でも批判された。公共放送の在り方を考える上で、政府、時の政権の報道への圧力などは、決してあってはならず、山田氏の〃圧力電話〃などは問題外である。
この問題は、25日の山田氏の国会招致でも野党から追及を受けた。立憲民主党の黒岩宇洋氏が「電話をしたのか」と尋ねた。これに対して山田氏は「自身の携帯履歴を調べたが、そこにはNHKへの発信記録はなかった。首相のNHK番組出演に関して、番組出演後、電話をしたことはない」と否定した。この日の予算委にはNHKの前田晃伸会長も出席。黒岩氏は「山田氏からNHKに電話はなかったか」と前田氏に尋ねたが、「山田氏から〃抗議の電話〃を受けたことはない」と3度も繰り返して答弁した。前田会長は「抗議の電話はなかった」としたものの、山田氏から電話があったかどうかは答えていない。前田氏の答弁ぶりからみて山田氏のNHKへの電話はあったのだろう。
山田氏の国会招致を中継しないNHK
野党は今後もこの問題を追及するとしているが、問題は以前に発覚しているのに、NHKはこの事実を公表していない(おそらくできないのだろう)。内閣記者会(官邸記者クラブ)は、週刊現代が報道した当時、山田氏にこのことをたださなかったのかとの注文も付けておきたい。このことも大問題である。
また、NHKはなぜか、25日の山田氏の国会招致を中継していない。この問題が発覚してから、私はNHKに電話し「予算委は国民が注目している。なぜすべてを中継しないのか」と尋ねたことがある。そのときのNHK問い合わせ窓口担当者は少し時間がたってから(誰かと相談したのだろう)「予算委中継については、番組の政治担当者の総合判断で決めている」との回答だった。首相が出席していないからだろうが、やはり山田氏が問題発覚後初めて国会答弁に立つわけなので、受信料でまかなう公共放送として、中継すべきではないのか。この辺にも、NHKの政権への「忖度体質」を感じる。
首相記者会見の徹底的な見直しを
山田氏が広報官を続けるかどうか、野党はもちろんのこと、与党内にも批判がある。26日に「6府県の緊急事態宣言先行解除」などで予定されていた首相記者会見が突如、官邸のエントランスホールでの「ぶら下がり」に変わった。「山田氏の問題が会見取りやめに影響したのか」との記者からの質問に、菅氏は「まったく関係ない」と答えるなど終始、不機嫌な様子で質問に応じ「さきほどから同じ質問ばかり」と吐き捨てるような言葉を残して、ぶら下がりを打ち切った。
何をやってもうまくいかないことで、いらついていたのだろうが、その様子はテレビで中継され、その傲慢な態度は国民の目にどのように映ったのか。「山田氏続投」は持たないのではないかと私はみている。山田氏は当然、広報官を辞職すべきと考えるが、この際に今一度、首相の記者会見の在り方そのものを見直す必要があるのではないのか。
特に記者会見の主催者は記者クラブ側なのに、なぜか、司会を内閣広報官がつとめることや、質問を1社1問に限定すること、時間を短時間で区切ること、そして、首相が答えた後に不十分な部分をさらに問う「さら問い」ができないこと-など、首相記者会見の在り方は、以前とはかなり異なってきたようである。私と同世代の政治部OBの井芹浩文氏(元共同通信論説委員長)は、公益財団法人新聞通信調査会の月刊機関誌「メディア展望」2月号の「記者会見の在り方いかに」でこう指摘している。
<記者会見の司会者を本来、記者会側が務めるべきなのに、官邸側が行っているという根本的な問題がある。特に、いま司会を務める山田広報官は「自席からの追加質問はお控えください」と繰り返す。朝日新聞の官邸キャップによると、この追加質問は「さら問い」というらしいが、安倍晋三政権以来「これができません」と嘆く。官邸側としては用意された質問には通り一遍に答えられるが、追加質問は手強いため、あらかじめこれを封じているのだ>
私は社会部出身なので、内閣記者会での会見が従来、どのように行われてきたかはよく分からない。井芹氏によると、「さら問い」という言葉自体が、以前にはなかったもののようだ。とにかく、首相と国民を繋ぐ窓の役割を記者会見が果たしているのだから、この際、読者や視聴者が背景にいる記者クラブ側が従来通り、主導権を握るべきだろう。いまはいいチャンスではないか。
検察は「汚職事件」として捜査を
少しわき道にそれたが、22日に発表した総務省調査では、肝心の東北新社の総務官僚接待によって「行政がゆがめられた」ことは認定されなかった。また、首相の長男の存在が与えた影響や東北新社だけが接待されたとする理由は「確認されなかった」としている。
要するに、政権は幕引きを急ぐあまりに、それらをきちんと調べずに処分を先行させたことを国民の前に暴露してしまったのではないのか。総務省に副大臣をトップとした検証委員会を設けるというが、弁護士が入ったとしても、所詮は独立性・中立性のない身内の調査であり、とても期待できるものではない。
長男ら接待した側の国会での証人喚問や国会に中立的な第三者委員会を置いて徹底的に接待と放送行政の関係を調べることも重要だが、菅氏を援護する与党側はこれに応じないだろう。繰り返しになるが、ここはやはり、東京地検特捜部の出番である。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は、今回のケースについて「理屈上は贈収賄罪が成立する」としながらも「実務上、賄賂の総額が明らかになった金額では少し足りない気がする」(朝日新聞25日付朝刊)との見解だ。だが、若狭氏はさらに「時代によってその金額は変わる。捜査で新たな接待や現金授受が判明する可能性もある」とも述べている。このままではとても納得できない。「桜を見る会」での甘い捜査との国民的批判を挽回するためにも、この「総務省接待汚職事件」の捜査を始めてほしい。どちらにしろ、弁護士ら市民団体が26日に東京地検に告発の手続きをとっており、検察が絡まざるを得なくなるからである。
26日、東北新社側は弁護士らによる特別調査委員会の中間報告をもとに、二宮社長の辞任を発表、接待に関係した幹部を役員から外し、菅正剛氏も部長職を外して子会社の取締役を解任された。12日から調査が始まっているようだが、この委員会もいずれ最終報告書を出すことになる。第3者性ががどの程度あるのか、不明だが、この調査結果にも注目したい。
「わきまえた官僚たち」からも失う信頼
日本の官僚は世界的にみて優秀だといわれている。私も記者として、取材対象である多くのキャリア官僚と長い間付き合い、キャリア官僚は「日本の頭脳」とすら考えていた時期もある。ところが、安倍政権以降の最近のキャリア官僚をみていると、「官邸主導」のいきすぎや官僚を好き嫌いや政権のいうことに忠実かで判断して人事が決まる「内閣人事局」のありようをみると、その考えが揺らぐ。「国民の全体の奉仕者」であるはずの官僚が政治家にまともに自分の意見すら言えない。いつも政権に忖度してビクビクしている。時には追い詰められて文書の改ざんまでしてしまう。
これでは、国家公務員の上級職試験への応募者が減るのも当然だ。現職キャリアの中途退職も増えているという。女性差別が世界でも際立つ日本の官僚システムの中で、山田氏を「女性初の首相秘書官」「女性初の内閣広報官」と政権やメディアは持ち上げてきた。25日の衆院予算委での山田氏の答弁をみると、よどみなく、すらすらと厳しい野党質問を巧みにかわす優秀なエリート官僚の姿が浮かび上がった。おそらく、山田氏は自分が司会をする内閣記者会(官邸記者クラブ)でも評判はいいのだろう。「飲み会を断らない広報官」として記者たちとのすごぶるいい関係を保っているのではないかと推察する。だから、菅氏が「寵愛する」理由もそれなりに理解できる。
自分の息子を特別扱いしたことに責任があるのに、今回は、1人7万4千円という常識外の高額会食の話題も加わって内閣広報官に国民の焦点を向けてしまった。国会招致から一夜明けた26日のテレビの情報番組を見ての感想である。
菅氏が負うべきなのは、国民への「政治責任」だけではない。自分のあくなき権力欲と傲慢な態度によって、このままでは、「イエスマン・イエスウーマン」を通してきた、政権に「忖度する官僚たち」(わきまえた官僚たち)の信頼すら失っていく過程にあることを自覚してもらいたい。「権力は快感である」(秋山信一氏の「菅義偉とメディア」=毎日新聞出版)とかつて官房長官時代の毎日新聞の番記者に漏らした、と書かれた菅氏。時にはそれが、「快感」などではなく、自分にとって「命取り」になることをキモに命じるべきである。権力を持つ人が、自分の持つ権力の恐ろしさを自覚することは少ないと思う。もうすぐ後期高齢者(私はすでになっている)となる菅氏には、少なくともそのことに気付いてほしい。