日本学術会議が新会員に推薦した6人の任命を菅義偉首相が拒否した。安倍政権の政策に異論を唱えた経緯のある学者らが外された格好で、政府として前例のない人事介入を「初仕事」にするかのような菅政権の振る舞いは安倍前政権を超える暴挙だ。
コラム「政治なで斬り」日本学術会議推薦6人の任命拒否 安倍前政権超える暴挙 秦の焚書坑儒に倣ったような愚挙 言論、思想統制につながる恐れ
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日本学術会議が新会員に推薦した6人の任命を菅義偉首相が拒否した。安倍政権の政策に異論を唱えた経緯のある学者らが外された格好で、政府として前例のない人事介入を「初仕事」にするかのような菅政権の振る舞いは安倍前政権を超える暴挙だ。
菅新政権が繰り出した、日本学術会議への会員任命拒否という露骨な攻撃が既に2018年に準備されていたと書いたが、なぜ、この時期に急に準備したのか。謎を解くカギは2017年の学術会議の「安全保障と学術に関する検討」論議にある。
菅義偉政権が日本学術会議の新会員の候補6人の任命を拒否した事件の異様さは、ウォッチドッグ21でも既に2氏が書いているが、1983年から84年の学術会議「大改革」なるものを取材した者として、何点か指摘したい。
「令和おじさん」「パンケーキ好き」「雪国育ちのたたき上げの苦労人」など、さまざまな褒め言葉によるメディアの印象操作で、このところ世論調査で最高74%もの支持率を得ている「剛腕宰相」菅義偉首相が就任以降1カ月もたたないうちにその本性を現した。
菅義偉新政権に対する各メディアの世論調査の支持率が軒並み60~70%と高い数字を示し、安倍晋三前政権を厳しく批判してきたリベラル系のメディアに戸惑いと、一部には自信喪失の現象も散見された。だが、1日に明らかになった日本の科学者を代表する国の特別機関「日本学術会議」が推薦した新会員候補者のうち6人を菅首相が任命しなかった問題の衝撃は大きく、「菅政権の暗黒面が露呈した」(テレビ朝日「羽鳥モーニングショー」でのコメント)との受け止め方もある。今後、支持率のご祝儀相場が大きく変動する可能性がある。