戦後80年が終わろうとしている。大きな節目のこの年の10月21日に日本で初の女性首相が誕生し、日本にも素晴らしい時代がきた、と思った。しかし、高市早苗氏は就任後1カ月も経たないうちに、11月7日、野党の質問に「台湾有事は存立危機事態になり得る」と国会答弁した。これが、ひどく中国を刺激し、中国からの観光客が激減、日本近海で演習していた中国軍機がスクランブル出動中の自衛隊機にレーダー照射するという一時、危険な事態にまで発展した。
<政治クロノロジー>「存立危機事態」答弁で日中緊張 発言軌道修正したが撤回は拒否 発言撤回求める中国 日本旅行の販売を停止、留学の慎重要請、日本映画上映などの延期措置 レーダー照射にエスカレート 日本が台湾情勢に武力介入すれば「悲惨な代償を払う」と中国国防省 「パンダ貸し出さない可能性ある」と中国紙報道 トランプ米大統領は中国への宥和的姿勢が顕著
(1)発言の発端は…
・11月7日:衆院予算委員会でのやり取り。
▽岡田克也氏(立憲民主党):「総理は1年前の総裁選で、中国による台湾の海上封鎖が発生した場合を問われ、存立危機事態になるかもしれないと発言した」
▽高市早苗首相:「実際に発生した事態の個別的、具体的な状況に即して、全ての情報を総合して判断しなければならない。例えば海上封鎖を解くために米軍が来援する、それを防ぐために何らかの武力行使が行われるといった事態も想定される。単に民間の船を並べて通り難くすることは存立危機事態に当たらないが、戦争という状況下では別の見方ができる」
▽岡田氏:「自民党副総裁の麻生さんは、中国が台湾に侵攻した場合、存立危機事態の可能性が極めて高いという言い方をしている」
▽高市氏:「戦艦を使い、武力行使を伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースだ」
トランプ米大統領の関税戦戦略が「破綻」、インフレ追い打ち 対中関税戦争はトランプ氏の敗北に 支持率は低下の一途 共和党首脳部に動揺広がる 支配力の低下鮮明に 演説は「歴代最高の実績」を誇示 関税めぐる最高裁の判断次第で苦境に
米国ではトランプ大統領の関税戦略が破綻したところに、感謝祭からクリスマスへと続くパーティ・買い物シーズンが、くすぶっていた「関税インフレ」を一気に押し出した。世論調査のトランプ支持率は低下の一途、トランプ支持勢力内部からの不満や批判の声もさらに広がっている。やきもきする周辺の進言でトランプ氏は地方遊説に緊急テレビ演説と、「歴代政権最高の実績」の虚偽宣伝にやっきになっている。年が明けると再登板1年目が終わり、早々に、議会や州議会・知事改選の11月中間選挙の与野党予備選挙が始まる。トランプ氏にとっては想定外の展開になってきたようだ。
コラム「番犬録」第16回 「核保有発言」の官邸幹部の更迭は当然だ ノーベル平和賞受賞の被団協は「絶対に許せない」 高市首相の任命責任は重大 「台湾有事」の高市答弁に共通する官邸の手法 アバウトな答弁で「存立危機事態」の解釈を拡大し日本を戦争に巻き込むことにならないか 内閣官房が作成した答弁資料無視し独自の見解と毎日がスクープ 日中関係急速に冷え込み危険な状況に 欠かせない高市内閣のウォッチ 子どもたちがパンダに会えなくなる 再審法改正で冤罪被害者に不利な問題追加
高市早苗首相に安全保障政策などで意見具申する立場の首相官邸幹部が「日本は核兵器を保有すべきだ」とメディア記者とのオフレコ懇談で発言した問題。報道が出た翌12月19日になって昨年、ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被爆者団体協議会(日本被団協)が「官邸幹部の発言は被爆者の存在を無視しており、絶対に許すことはできない」と強く抗議の声を上げた。
これで十分かノーベル賞報道 近年の研究力低下にも関心を 研究力低下示す数値多々 世界大学ランキング訂正に報道なし
昔よりはるかに大きな扱いでは!ノーベル生理学・医学賞に坂口志文、同化学賞に北川進両博士の受賞決定以降、授賞式に至るまでの報道ぶりに考えさせられたことは多い。筆者は1987年に利根川進氏が生理学・医学賞を受賞した際、ストックホルムで授賞式を取材した経験がある。授賞式の様子を伝える以外の記事を要請された記憶がない。授賞式の記事と写真を送り終え、晩餐会が行われている頃は、共同通信ストックホルム通信員の高橋功氏と街で飲んでいた。「ノーベル賞の晩さん会に出られるなんてスウェーデンの人間にとって夢のようなことなのに」。あきれたような顔で高橋氏に言われた言葉を思い出す。取材者用の席は用意されていたはずなのに晩餐会をのぞこうともしなかったことに対してだった。