第51回 対馬の神と記紀の神(中)
素戔嗚尊の歌とされる日本最初の和歌
素戔嗚尊についても、対馬神話と記紀神話では異なった人物像になっている。記紀神話では八岐大蛇を退治したりする英雄譚もあるが、粗暴で荒々しく手足の爪をはがされて、天界を追われる話になっている。八岐大蛇退治の話については、鉄の採取で赤く濁った出雲の川を治めた話が転訛したのではないかという見方もある。また日本で最初に作られたといわれる和歌である「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣つくる その八重垣を」は、素戔嗚尊の歌だとされる。