第28回 天日槍と古代祭祀用具
八種類の神宝と熊神籬(くまのひもろぎ)
神社と切り離せないのが神宝や祭祀器具である。神宝といえば天日槍の神宝、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が天孫降臨の際に携えて来た神宝、石上神宮の10種の神宝、宗像大社の神宝などが知られている。
また「古語拾遺」(807年)には、倭姫命が天照大神を伊勢に祀らせた記事に「此の御世に、始めて弓・矢・刀を以て神祇を祭る。更に神地・神戸を定む。又新羅の王子、海檜槍(あまのひぼこ)来帰り。今但馬国出石郡に在りて大きな社と為れり」とある。「天」ではなく「海」を充てている。
古事記、日本書紀はともに天日槍の神宝や巡歴に、かなりのスペースを割いているのは、それだけ天日槍の動向は、大和でも注目されていたのであろう。