第22回 滋賀県草津市 3つの安羅(やすら)神社
医術の祖、天日槍が祭神
草津市は東海道の宿場町として栄えた。草津市と隣の栗東市に合わせて三つの安羅神社がある。まず、草津市野村町の安羅神社は偶然、すぐに見つかった。ただ、社務所がなく特に変わったものは見当たらない。鳥居の横に立つ社伝には、「慶運元年(704)三月、牛頭天王この地に降臨なり、これ当社の創なり」とある。牛頭天王は素戔嗚尊(すさのおのみこと)に習合し同一神とされる。社伝の終わりの方に、「野村、穴村に安羅神社、(栗東市)十里に小安羅神社の鎮座あるは、安羅郷の古へを推想するに足る」とある。この地に渡来した人々の子孫は、遠い先祖の地、安羅の地に思いをはせてこの名を付けたのであろう。