世界規模の人口爆発と飢餓、地球温暖化という危機が現実化している中でも、日本国内では人びとの命と密接に関係している農業への関心は高まっているとはいえない。しかし国際社会は、農業の中心になっており、大きな可能性のある小規模の家族農業を強化しようとしてきた。
「日本の農を根本的に変えかねない種苗法改正案」(中) 第2次安倍政権が狙い続けた「門戸開放」
安倍政権は新型コロナウイルスの感染が日本国内でも広がりだした今年3月中旬、種苗法改正案を国会に提出。当初は5月の連休前にも、ほぼ審議なしで成立させようとしていた。コロナウイルス感染拡大で全国民が自粛生活を余儀なくされている最中の「火事場泥棒法案」の一つとして問題になったが、「改正」計画自体は2017年の主要農作物種子法廃止の時から並行して練られていた。日本の種子の歴史を振り返ろう。
「日本の農を根本的に変えかねない種苗法改正案」(上) 今国会では断念したが安倍晋三首相の執念変わらず
自民党の森山裕国対委員長は20日、種苗法改正案の今国会成立を断念する方針を示した。検察庁法改正案、スーパーシティ法案と並んで、コロナ禍の中、押し通そうとした3悪火事場泥棒法案とも指摘されながら、安倍晋三首相が強力に成立を図っていた法案であり、検察庁法改正案に続いて成立断念に追い込まれたことで、安倍首相の求心力は一層低下しそうだ。
「新型コロナ禍」米襲う世界最悪の感染 トランプ政権の大失政 WHOと中国への責任転嫁に必死
裕福で、医療技術も高く、普及している超大国米国で、新型コロナウイルスの感染者、死者数がともに増え続けている。米国の新型コロナの感染者、死者がなぜこれほど多いのか。対策実施に大きく遅れをとったトランプ政権の大失政が原因だが、トランプ大統領は国内の批判や追及を避けるため、中国とWHO(世界保健機関)に責任転嫁しようと必死だ。
「検事長事件と記者」 マージャン取材で何を報道したのか、それが問題だ 検察と記者の距離の在り方を考える
黒川弘務検事長事件は「3密」と「賭けマージャン」の二つの面からの批判が中心だが、もう一つ提起されたのは、検察という公権力と新聞記者の距離の在り方だ。これは取材方法への批判だが、核心は、記者が当局とのマージャンという取材手法を使って、国民の知る権利に応える報道をしてきた、と説明できるかどうかだ。この第3点を考える参考として、取材方法の基本と検察取材の実際-の2点を紹介したい。 記者には黒川氏に直接取材できる記者として、黒川氏の定年延長閣議決定をめぐる真相を書いてほしいものだ。