<米議会襲撃>大統領命令による選挙無効宣言のクーデータ計画提示 極右や陰謀論グループがトランプ氏に ホワイトハウス・スタッフが乱闘寸前の大激論の末、阻む 新たな証言で刑事訴追への圧力強まる
2020年1月6日の米議会襲撃事件の2週間余り前の年12月18日夕、トランプ大統領(当時)を取り巻く極右および陰謀論グループのリーダー数人がホワイトハウスを訪れ、トランプ氏に彼らが描いた大統領命令によるクーデター計画を提示、これに猛反対したホワイハウス・スタッフとの間で乱闘寸前の激論が未明まで続いた。下院特別委員会の公聴会で、この場にいた6人の証言が明らかにした。トランプ氏が武装デモとともに議事堂に乗り込もうとしとする「爆弾証言」(『Watchdog21』7月13日拙稿「平和デモの虚構崩れる」参照)に続く重要な新事実で、トランプ氏の刑事訴追への圧力がさらに強まっている。
「米議会襲撃事件」トランプ氏、議事堂乗り込み図り警護隊に阻まれる 前政権側近らの爆弾証言で「平和デモの虚構」崩れる 予想超えるクーデタ―計画の規模 バイデン民主党対トランプ共和党の権力争奪戦は新局面に
トランプ米前大統領の支持勢力による連邦議会議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会の公聴会で、米主要メディアが一斉に「爆弾証言」と報じる重大情報が飛び出した。トランプ氏は自身の支持派のデモは平和的請願で、議会襲撃事件には何の関係もないとしてきた。だが実際にはトランプ氏自ら武装したデモ参加者とともに議事堂に乗り込み、バイデン当選を最終的に認定する上下両院合同会議の決議を覆そうとしていた。トランプ氏とホワイトハウス・スタッフや大統領警護隊(シークレットサービス)の言動で明らかになった。ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト両紙など米主要メディアは、この証言によって「トランプの虚構」は崩れ去り、トランプ氏の刑事訴追に大きな手掛かりが得られたと報じている。司法省がいつトランプ氏に捜査の手を伸ばすのかが注目される状況になった。
(議事堂襲撃事件特別調査委報告その1) 議事堂襲撃は違法なクーデター未遂、「不正選挙」に事実なしー連続公聴会で調査報告公開、トランプ訴追の可能性も
「虚偽」容認か「内戦」か
トランプ前米大統領の再選が不正投票で阻まれたとする主張には全く根拠はなく、2021年1月のトランプ支持勢力による米議事堂襲撃は選挙結果を覆そうとした不法なクーデター未遂事件だった。同事件を調査している米下院特別委員会がこうした結論をまとめた膨大な報告書の内容を9日から始めた同委員会の連続公聴会で次々に公表している。主要メディアには司法省がこの報告公開を受けていよいよトランプ訴追に踏み切るとの見方も浮かんでいる。だが、これはトランプ派が猛烈に反発し、内戦の引き金になると懸念されている。それを避けるとすればトランプ氏の「虚偽」を容認するしかないのだろうか。米民主主義は逃げ道の見えない重大な危機に追い詰められてきたようだ。
「ロシアのウクライナ侵攻」 酷似するウクライナ侵攻と日中戦争 驕りが招く誤算の歴史
いまNHK大河ドラマで『鎌倉殿の13人』をやっている。高等学校の日本史の教科書で知る鎌倉時代とは少し様子が違う。ドラマであることを割り引いても、もう一度鎌倉時代を学びなおすのに好材料を提供してくれている。転じて、いまのウクライナ侵攻。日々、目の当たりにするのはウクライナなのだが、なぜか、過去の日中戦争が何だったのかが思い起こされる。そう言えば、高校の日本史は、ほぼ明治時代で終わっていて昭和史は学習しなかったように思う。その意味では、ウクライナ戦争は日中史を学びなおすいい機会かもしれない。