どこへ行くトランプ再選戦略 「デモ制圧」拒否で「軍部票」も大揺れ

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 「黒人の命は大切」を掲げたデモを、軍事力を使って制圧しようとしたトランプ大統領とこれを拒否した軍部。両者の間に生じた亀裂は、予備役に退役軍人、家族を加えると200万人といわれるトランプ氏の固い票田にも大きな動揺を与えている。トランプ氏が4年前に一般投票では敗れながら予想を覆して当選を決めたのは、接戦となった中西部や南部の有力州の過半数を僅差で制し、大統領選挙人の多数を効果的に獲得したからだった。これらの州には軍関係者の票が多い。ここにトランプ離れが生じると、再選は困難になるだろう。

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コロナ禍がみせた財政無責任政権 税金の「アベノサイフ化」顕著に

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 コロナ対策を巡る前代未聞の規模の財政投入は、現政権の無責任体質を如実に表した。1,2次補正を合わせ空前の規模となった58兆円は、全額を国債発行で賄う。しかも使途が縛られず自由に使える予備費が空前の10兆円に上ったほか、企業への持続化給付金や、企業が被雇用者に支払う休業手当を補てんする雇用調整助成金の給付を民間に丸投げし、その委託費が民間企業に流れる。コロナ禍に乗じた、蜜に蟻が群がるかの如くの実態が浮き彫りになった。感染終息後に観光や旅行などに対し助成する「GOTOキャンペーン」に至っては、予算1兆5千億円の2割が委託費として計上された。与野党とも対策がまだ不十分としてさらなる予算を要求しているが、不透明な民間委託構造を放置したままでは、予算措置が膨らむほど、民間委託費も膨らむ。コロナ禍救済費用の一体何割が中抜きされ、支援が必要な個人や企業に予算のどの程度が到達するのか不明だ。

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「60年安保闘争から60年」 国会を取り囲んだ大規模デモ 歴史的瞬間を撮影

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 1960年の日米安全保障条約に反対する安保闘争から60年。同年6月15日に全学連と警察隊の衝突で大学生の樺美智子さんが死亡し、国会周辺を大規模なデモが取り囲んだ。戦後75年を迎える日本は今、コロナ禍を転機に大きな曲がり角にある。60年代の日本は高度成長を遂げたが、その国家形態はいびつなままだ。55年後の2015年9月、安倍政権が強引に推し進めてきた、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法が参院で可決、成立し、「戦争のできる国」へと突き進んだ。国会前には多くの市民が集まり、「憲法違反、採決撤回」と怒りのコールが繰り返された。

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「学歴詐称問題」で質問に丁寧に答えず 出馬会見に見る小池都知事の不誠実さ 選挙公報に「経歴」をどう書くのか

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 6月12日午後6時すぎ、小池百合子東京都知事は記者会見し、「再出馬に決意を固めた。都民の推挙を得るべく戦いに挑みたい」と述べ、どの政党からの推薦も受けずに、都知事選への再選出馬を表明した。テレビでの生中継はフジテレビだけだったようだが、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」で約50分の会見を見た。プロンプターを使わず、自分のことばで話すこと、質問者を自分で指名すること。この二つが安倍晋三首相の会見と大きく異なる。また、微妙に質問をずらす回答をすることはあるものの、一応、分かりやすいことばで、きちんと答えている。コロナ禍対応で連日、記者会見に臨み、「ステイホーム」「ウイズコロナ」などカタカナ語を連発し「夜の街」を強調するなど、ニュースキャスター時代に身につけた大衆受けするこの人の「もの言い」が都民を引きつけるのだろう。都庁記者クラブ加盟記者にフリー記者も加わった会見だった。

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「政治の道具ではない」と米軍部が造反 「デモ制圧」阻まれトランプ氏立ち往生

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 トランプ米大統領は5カ月に迫った大統領選挙での再選の道を、自らさらに険しいものにしたようだ。トランプ氏は黒人男性が白人警官の暴行により死亡した事件で全米に広がった黒人差別反対抗議デモを、正規軍部隊の投入によって制圧しようとした。「強い大統領」を誇示し、「コロナ禍」対策の失敗を一気に取り返したかったのだろうが、土壇場で軍部が造反して阻止された。今週発表のいくつかの世論調査によると、繰り返されてきた白人警官による黒人への暴力に対し「黒人の命は大切だ」と訴える抗議デモの本質をそらし、「暴力デモ・略奪」という治安問題にすり替えてきたトランプ氏に対し、世論はきわめて厳しい批判を突きつけている。

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