「戦後75年」「東京裁判」とは何だったかを考える 第2回 起訴、開廷から結審まで 検察に全面協力した天皇の側近木戸幸一

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 検察側がA級戦犯を選定するに当たり日本側から2人の有力な協力者が現れた。1人は1945年(昭和20年)11月24日に内大臣府が廃止されるまで内大臣として昭和天皇側近ナンバー1の地位にあった木戸幸一である。木戸は西園寺公望元首相ら「元老」がいなくなったあと、首相選びなど重要な決定について、元首相らの「重臣」とともに、天皇に進言する立場にあった。

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「戦後75年」「東京裁判」とは何だったかを考える 第1回 A級戦犯逮捕と天皇の戦争責任問題

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 35年前に西ドイツ(現ドイツ)のワイツゼッカー大統領は、日本よりも一足早くナチスが連合国に降伏した「1945年5月8日」を「ドイツ史の誤った流れの終点」とし、ナチスからの「解放の日」であると強調した。ドイツのシュタインマイヤー大統領は、ことし5月8日の終戦75周年記念式典で次のように演説し、この日を改めて「解放の日」であり「感謝の日」と位置づけた。(東京新聞8月12日付朝刊社説「『解放の日』へ決意込め)

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「戦没者追悼式」 8・15やっぱりコピペ安倍式辞「歴史の教訓」はコピーせず

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 8月15日の全国戦没者追悼式での首相式辞を昨年と比較すると、ほぼコピペで、心のこもらない安倍晋三首相の姿勢があらためて明確となった。内容は、新型コロナ、積極的平和主義が追加されたが、昨年あった「歴史の教訓を深く胸に刻み」という文言が削除されていて、天皇の「お言葉」「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い」とは対照的だ。アジア諸国への加害責任については、第1次安倍政権では言及していたが、第2次安倍政権では消えていて、今回もなかった。

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敗戦直前の731部隊敗走示す公式資料 滋賀医科大学名誉教授らが発掘、復刻 闇に消えた731部隊探る新たな手掛かり

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 1945年8月9日未明のソ連軍の旧満州電撃侵攻で、旧満蒙一帯にいた関東軍や開拓民はほぼ全域でパニックになり、高速で進撃するソ連軍の前に、民間人を中心に多くの犠牲者が出た。そんな中、ほぼ無傷で日本(当時の用語で「内地」)に逃げ帰った部隊がある。悪名高き「731部隊」(正式には関東軍防疫給水部)だ。731部隊の敗戦時の情報を戦後間もなく国の手でまとめていた資料を、滋賀医科大学の西山勝夫名誉教授らがこのほど発掘、手書きの文字などを復刻して公表した。731部隊員の最終的な人員数や敗戦時の行動経過図などが公的に明らかになったのは初めて。戦後処理の中で、米政府から免責特権を受け、闇に消えた731部隊を探る、新たな手掛かりとなりそうだ。

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