国会で審議が始まった、政府の判断で検察幹部の定年を延長できるという検察庁法改正案は、人事や捜査へ政治介入を招くとして、ネット上で抗議が広がっている。宮本亜門氏らのハッシュタグ(#検察庁法改正案に抗議します)へのツイートが10日夜現在、470万件を超えたという。
「カジノ疑惑」混迷するIR誘致合戦 1兆円超える投資うたい文句に
安倍政権が経済政策の目玉にする統合型リゾート施設(IR)の誘致合戦が混迷している。IRなどを担当する内閣府副大臣だった秋元司衆院議員は2019年12月25日、日本のIR事業参入を目論む中国・深圳に本社がある「500ドットコム」(中国政府公認のオンラインスポーツくじ販売会社)からの収賄容疑で逮捕された。私が秋元司の名前を知ったのは2019年の夏だった。7月、内閣府が推進する企業主導型保育園の助成金の申請手続きが杜撰で詐欺事件が発覚、福岡のコンサルタント川崎大資容疑者が逮捕された。事件で内閣府から事業を委託されている公益財団法人「児童育成協会」は川崎容疑者が助成金申請を代行した12施設に対し、計約12億円の返還を命じた。協会の審査を通るとおよそ2億円のカネが出る。また川崎容疑者は当時、内閣府の副大臣だった秋元司議員と親しい関係であることもわかり東京地検が動き、会計検査院も乗り出していた。
✺神々の源流を歩く✺ 第1回「大宮氷川神社」
大昔から交流があった出雲と武蔵
日本には神社が約8万社ある。明治のころは12万社だった。神職はおよそ1万2000人とされる。神社を知るには、三つの視点が大事だとある高名な古代史学者から教わった。一つ目は「神は人なり」で、神社の80%はその地域を開拓した人を、子孫が顕彰したもので、残る20%は雨、風、雷など自然現象と怨霊などであること。二つ目はかつて朝鮮半島と日本列島には国境はなく、人々は自由に往来していたこと。三つ目は祭神は神話に登場する天孫降臨の神か、それ以前からの国津神だったのかだ。
コロナ禍の報道現場から悲痛な声
新聞労連や民放労連など九つの労連でつくる「日本マスコミ文化情報労組会議」(MIC、南彰議長)はこのほど報道関係者を対象に行ってきた「報道の危機アンケート」の結果(概要)をまとめて発表した。その中身は現場の悲痛な声に満ちあふれている。その実態は、現場だけでの抵抗では何の解決にもならない状況に、日本のメディアが追い込まれているといえる(アンケート結果の概要は固定ページに掲載しているので、現場からの声を読んでいただきたい)。
専門家会議の航路は正しいのか? 自縄自縛の安倍政権
新型コロナウイルスの対策を検討する政府の専門家会議(座長・脇田隆字・国立感染研究所長)が5月1日に開かれ、全国的な外出自粛がなお必要とする提言を出した。政府はこれを受けて緊急事態宣言をさらに全国で5月末まで延長した。感染のまん延を何とか抑え込み、経済活動の再開に徐々に向かう他国が増えてくる中で、政府から何ら明確な見通しを示されないままに「自粛」だけを強いられ、「新しい生活様式」というお題目を聞かされることに、さすがに国民の不満や怒りが高まってきた。しばらく発表されなかった「実効再生産数」(1人の感染者がうつす平均人数を表す)が突然に再び発表され、全国が2・0(3月25日時点)から0・7(4月10日時点)に下がったとされたのは、やや明るい数字だが、その根拠となる基礎データが明確に示されていないので、国民の不安感を拭い去るには程遠い。安倍政権が金科玉条のごとく尊重する専門家会議の診断書は果たして、どこまで正しいのだろうか? そして、この「国難」の時に、国民の心に響くメッセージを何ら発せられない安倍晋三という指導者に、いつまで国の舵取りを託しておけるのか?