「厳重取扱注意」とある文書は全文A4版78ページ。1枚目と2枚目は「目次」で「『政治的公平に関する放送法の解釈について(礒崎補佐官関連)』との表題がある。そこには、2014年11月26日から15年5月12日までの間の当時の安倍晋三政権の首相補佐官、礒崎陽輔氏への総務省のレクを中心に、当時の高市早苗総務大臣レク、山田真貴子首相秘書官レクなどでのやりとりが記述されている。これまでの「政治的公平性」についての国会答弁や見解などの参考文書や添付資料もあるので正味は20数ページ。書かれている内容は、放送法第4条の「政治的公平性」をめぐる解釈などについて、礒崎氏が電話で問い合わせをしたときから当時の高市総務相が従来の政府解釈である「放送事業者の番組全体を見て判断する」から「極端な場合には、一つの番組でも政治的公平に反する場合がある」との事実上の解釈変更(政府は「解釈変更」ではなく、あくまでも「補充的説明の追加」と主張)までの経緯である。文書は首相官邸側と総務省側の詳しいやりとりが生々しい具体的な言葉で書かれている。そのほとんどの文書の冒頭部分には「当方(出席者)」の最後に「・・・(記)」とあるので、レクに立ち会った総務省放送政策課の担当職員(文書には実名)が作成したとみられる。
<放送法の解釈変更問題(下)> 生々しく書かれた総務省「放送法文書」 「政治的公平」巡り首相官邸と総務省の詳しいやりとり マスメディアは権力を監視する市民側の大きなツール 政府や権力批判できなければ民主主義は死ぬ
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