<広島、長崎への原爆投下から78年>3回続きの(下)「はだしのゲン」「第五福竜丸」が広島の平和教材から消えていく  核を必要悪とする「核抑止力」ではなく核兵器は「絶対悪」 世界で共有したいこうした認識

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 「被爆の実相」を直視することのタブー化は米国だけではなかった。日本でも、今年に入って作者の中沢啓治さん(故人)が6歳の時に被爆した実体験を基にした漫画「はだしのゲン」をめぐり、広島市の平和教育教材から削除されるとのニュースが伝わり、全国で波紋が広がった。

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<広島、長崎への原爆投下から78年>3回続きの(中)米に根強く残る「被爆の実相」 相次ぐ〃タブー〃象徴する出来事 G7首脳の原爆資料館視察でも  

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 米国に根強く残る「被爆の実相」を直視する〃タブー〃を象徴する出来事がことし5月19日の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)の首脳による原爆資料館視察でも起きていた。

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<広島、長崎への原爆投下から78年>3回続きの(上)米国は原爆投下の過ちを認めるべきだ  いまだに米社会に根強く残る「正当化論」 「被爆の実相」のタブー化 映画「オッペンハイマー」や「バービー」の〃騒動〃が教えてくれたもの

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 7月21日に米国をはじめ世界で公開された米国の映画「オッペンハイマー」と「バービー」を組み合わせた画像が被爆者らの気持ちを逆なでしているとしてインターネット上で物議を醸している。「オッペンハイマー」は〃原爆の父〃と呼ばれる物理学者の半生を描いたもので、「バービー」は着せ替え人形のバービーの実写版のコメディー映画。二つの映画に直接の関係はない。ところが世界での公開日が同じ日だったことや人気監督の作品だったこともあり、原爆の爆発を想像させる背景の中でバービー役の俳優がオッペンハイマー役の俳優の肩に乗り、バービー役の髪の毛がキノコ雲に置き換えられたりした合成画像が旧ツイッターの「X」で拡散された。

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<護憲三長老の歴史観と憲法観と今>3回続きの(下) 後藤田正晴副総理 反戦、護憲思想 戦前、戦中、戦後踏まえた歴史観

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 「今この人がいたらな」という話になると、名前が挙がるのが後藤田正晴(副総理大臣)氏である。「今日はびっくりしたな」とか「さっきは腰を抜かしたよ」と言って話が始まった。いったい何があったのですかと聞くと、九州出身のある議員が自民党本部の会合で「我々の世代には戦争責任はない。戦争責任は戦争を行った世代にある。われわれはそれにとらわれることはない」と言ったというのである。その議員はその後もこういう分野で活躍している。

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<護憲三長老の歴史観と憲法観と今>3回続きの(中) 村山富市首相 「戦争責任にけじめ」をつけた村山談話

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 村山富市首相(99)の自社さ政権は「55年体制」が崩壊した後、細川護熙、羽田孜内閣に続いて誕生する。自民、社会、さきがけという組み合わせは、いかにも奇異に受け取られた。いくら政治は打算の産物的なところがあると言え、自社はことごとく対立して40年近く不倶戴天の敵の関係にあったからである。自民党が政権に返り咲きたい一心から編み出した奇手だった。

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